TDM - トウキョウダンスマガジン

RICKY・文化としてのダンスを目指した伝道者
今日まで20年以上踊り続けてきた本物のストリートダンサーであるBE BOP CREWの RICKY。ダンス界の歴史を作り上げてきた彼にインタビューを試みた。
BE BOP CREWの公演「JIVE」について教えていただけますか?
そもそもBE BOP CREWのオリジナルメンバーは5,6人なんだけど、10年以上前に結成した当時は、練習生や後輩を含めて22、23名いたんだよ。結成して10年位経った時に、新しい事をしていこうってなったのが「JIVE」の始まり。

その前まではショウタイムとか、クラブイベントでステージを踏むだけだったんだよね。自分達で1時間半とか2時間くらいのステージを制作して自主公演みたいなものをしていこうということになったんだけど、そのライブっていうのはダンスのみで、バンドもいないし、歌もない。 ダンスだけでお客さんがどれだけ満足してくれるかを試してみたかった。初めは福岡だけだったけどその後、いろいろな所でまたやって欲しいという声をもらって、日本全国でやることになっていった。でも僕が今やりたいことと方針がだんだん違ってきちゃったんだよね。後で色々な人に聞かれたな、「なんでRICKYさん参加しないんですか?」って。その時はちょっと微妙だったな。プロダクションのアーティストPRの中に、ダンスを組み込む感じになったから俺はいいやって思ってたんだよ。
「JIVE」の名前の由来は?
僕の記憶ではあやしいけど(笑)、JIVEの語源の通り。JAZZみたいに、“自由な”とか“なんでもとりいれる、フリーな”という意味合いじゃないかな。一つのものにこだわりたく無くて、何でも取り入れたかったから。もう一つの理由はJIVEっていうスタイルのダンスがあったんだよ。今でいうHOUSEの発祥だね。12、13年前、NYのクラブでは、ステップから、ドルフィンして、フロアに落ちていく、っていう流れのスタイルを「JIVE」って呼んでいたのさ。

それから音楽的にハウスミュージックという音楽が入ってきて、その音楽に合わせてステップをもっとスムーズに踏んでいったのが、今のHOUSEダンスなんだよね。
チーム名の由来は?
もともとはHIPHOPという言葉がまだない時に、ラップとかの言葉を「リズムトーク」っていう呼び方してたんだよ。レコードでJOE RATAANの“RAP-O-CLAP-O”(1980年)という曲があるんだけど、その曲が出てきた瞬間にリズムトークからラップという言葉に変わった。BE BOPとの関係はMAN PARRISHってアーティストが歌っている「HIPHOP、BE BOP、DON'T STOP!」っていう言葉が、物凄く印象的で良かったんだよね。BE BOPは音楽ジャンルでもあるし、俗語で黒人が街をノリながら歩いている感じをBE-BOPSHって言うんだよ。今ではBE BOPと言うとダンスのことを指すけど、その当時は踊りの意味でなく、そういう意味合いで使っていたね。「Be Bop Crew」はそこからとった。
結成は何年になりますか?
何年でしょうねー(笑)?‥今年で20年目なんですよ!凄いよね(笑)!だから逆に 計算して…1982年に結成ですね。20年の間ずっとオリジナルでやってるのはYOSHIBOO と僕だけ!その頃はSETOなんかまだ小学生だったし、SUSUSMUなんかは学生服着て練習しに来ていたからね。
続けるのは大変だったんじゃないですか?
うん。たしかに辛い時とか、厳しい時もあったけど、でもやっぱり自分の好きな分野で勝負しているから、幸せなほうだね。チームとの喧嘩もするけど、相手の強い我を認めてあげるんだよ。ダンサーってみんなエゴイストなんだよね。みんなエゴの固まりだから、そのぶつかり合いを認めてあげられるようになると、ステージ上でみんなのエゴがいい方向に広がっていく。
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