TDM - トウキョウダンスマガジン

TDM Interview
〜映画『RIZE-ライズ-』監督デヴィッド・ラシャペル〜
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■映画の中で出てくるファッション性もリアルなモノなのですか?

D
純然たるドキュメンタリーだよ。フェイスペイントも衣装も全てがリアルで、彼等の普段しているペイント、着ているもの、場所も全部演出されているのもではないし、本当に単純に記録しただけ。撮影の方法も特殊な方法や技術を使ってないし特殊効果もナレーションも使ってない。彼等の身体が、動きが既に特殊効果なんだよ。スピリチュアルでありファッショナブル。その両方が兼ね備えられているのは、彼等がそうだったからなんだよ。コンテンポラリー的なものと伝統的なものが融合されているんだ。
■現在の彼等の活躍や、このダンサー達が与えた社会的な影響は?

D
現在の活動としては様々なVIDEOで使われているのでわかると思うけれど、彼等はごく一部のダンサーで、他にも才能のあるダンサー達がたくさん控えている。KIDS達はこういった現象の中で、ダンサーに憧れダンサーなろうとしている。それは凄くポジティブなエネルギーなんじゃないかな。特に、困難がある状況の中で産まれていきたダンスだからこそ、リスペクトされて生きていると思うし、それは本来の人間の素晴らしさや強さみたいなものを表しているという現象なんじゃないかな。
■トミー・ザ・クラウンのCLOWNから始まってKRUMPが出来る。そういう模倣と伝承の違いはどう思いますか?

D
RIZEがその情報になってるね。模倣という観点から意見すると、KRUMPは振り付けじゃないんだよ。振りを自分の中で産み出しながら踊っていくんだ。僕も“KRUMP PHOTOGRAPHER”だねって言われる事があったんだけど、それは誰でもアートな状態(=超越した状態=右脳だけの状態で周りが見えなくなるけど意識がある)という状態であることが“KRUMP”なんだよ。今回の映画ではダンサーの人生あっての作品だと思うから、そこを是非、「トウキョウダンスマガジン」をチェックしている人達に見て欲しい。綺麗なリボンを掛けてダンストレンドな映画だと言って売る事にとても抵抗があるよ。人生ありきの、それ以上の映画なんだよ。そういう部分を理解して欲しいな。
Interview by AKIKO
Trailer

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