TDM - トウキョウダンスマガジン

HIDEBOH・own style (自分自身、自分流)
TAPの世界とアンダーグランドの世界との違いは?
アンダーグランドのかっこいいところは、いつも新しいものがあって、驚くようなことをやっている人がたくさんいるでしょ。それがおもしろい。やっぱりアンダーグランドな世界が一番最新のダンスや情報を発信してるというか・・・オーバーグランドに行っちゃうと、散々出来上がったものを、これは、「流行りきったからどうやって売ろうか」とか、そういう話になってくるから、心の触発はないよね。かといってオーバーグランドな世界が良くないと言ってる訳じゃないよ。ある意味親父も表舞台の人だったし。みんながアンダーグランドにいるのは、「常識ではありえないよ。」とか、「そんなの観た事ないよ」とか、刺激がいっぱいあるアンダーグランドな世界じゃないと生まれないものがあるからだと思う。だから結局アンダーグランドが一番かっこいい。そして、感じまくるというのがあって、居続けたいなというのがあるんです。
ストライプスでの活動はアンダーグランドよりではないですよね。
そうですね。楽しめるものを作ってます。やっていく以上は仕事をしなくてはいけないからね。なんでそうするかというと、これで食っていきたいというか、これは今度、芸人の話になるんだけど「芸を志したら芸で飯を食え」みたいなさ、親父の影響なんだけど、そういうのがあるから、割り切りという意味。それは、それで仕事をしていく、飯を食ってくものとしての割り切り。だから納得行かない時もいっぱいあるよね。「何でこういうことをやるかな」みたいなものがね。でも、そんなこと言ってらんないから、自分の中心の大事な場はアングラにおいて置けばよくて、あとは仕事ですから芸人魂として貫くということ・・・僕らはアンダーグランドで生み出してきてるし、ここで生めなくなったら、きっとオーバーグランドにいる必要もなくなるだろうし、つまらない。だから僕らはアングラをやり続けるんです。
今後FUNK A STEP広めていく為の活動として考えていることはありますか?
まず、ストライプスでの活動はしているんだけど、なんだかんだ言って、今の若い子でTAPをやってる人が少ないでしょ。「僕、HIPHOPやってるよ」とか「僕HIPHOPとHOUSEやってるよ」という人はたくさんいるんだけど、「HIPHOPとTAPやってるよ」って言う人はあんまりいないでしょ。まずはやってみてほしいですよね。イベントとかにいっても、まずいないのが残念で、やっぱり、FUNK A STEPの世界観としていてほしいっていうのはものすごくありますね。あと、僕はもともと映画が好きなんですよ。テレビじゃなく、映画。僕らの広がりとしては、フィルムによって作られていく世界観の映像を残していきたい。まあ簡単な話、映画を作りたいんだよね。
ストリート系のダンサーと関わりを持っていますが、今までに刺激を受けたダンサーは?
本当にいっぱいいてね、単純にすげえなっていうか生きざまを尊敬するのは佐久間くんやYOSHIBOさんをはじめとするBe bop crewの人達。普通はやめる様なとこでも彼等の場合はやめないでダンス一本で鍛え続けて来たことに敬意を表したい。彼等の忍耐力というか、精神力は本当に尊敬しています。一方でKAZUくんとかMARKさんとかはセンスのカリスマだよね。ステージにいるだけで華になるというか。それは努力していないということではなくて、すごく努力して生まれるものだと思うよね。「ダンスうまいです」って人が10人出て来ても彼等一人が出ただけで、もう勝てない。オーラがあるよね。

で、あと個人的に感謝しているのが、SAMさんかな。長いこと密かなるお世話をしてくれたというか、ダンスも教わりましたし、SAMさんとしばらく一緒にいたからこそTAP以外の当時のダンスを知れた感じかな。きっと一緒にいなかったら自分の好きなことだけしか知らなかったと思う。あとは、やっぱり一人で名前が出てきている人はすごいと思いますよ。「草分けやってんな」みたいなところがありますよね。そういう人たちをみると僕も「がんばらなきゃな」と感じますよ。TAPの世界ではやっぱり親父ですからね。
※佐久間:83年頃に結成された伝説的なダンスチームBeBopCrewのメンバー。Yoshiboをはじめ、Seiji、リッキー、Susumu、Sou、SAM、Sakuma、Ohjiらのメンバーで構成されていた。2年ほどで解散し、「ダンス・ダンス・ダンス」(90年代初頭に放映されたフジTVのダンス番組)放映後、再結成された。
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