TDM - トウキョウダンスマガジン

Special Interview SYMBOL-ISM + CLOCK EYED CANVAS
JAPAN DANCE DELIGHT VOL.13
自分たちのスタイルを提示するために出場、そして優勝
 

ジャパンに出ようと思ったのは、“自分たちのスタイルを提示する”ため。今、純粋に音楽やダンスに向かっているような人間が結果を取りたいと思った。僕らはあまりショーをしたり、表には出ていなくて、どちらかというと、純粋に自分たちがいいと思う音楽でダンスをしたり、一生そうやって生きていきたいロングライフなダンサーとして、そういう人のマジ具合を見せたかった。(ダンス)ディライトは、“ダンサー”のシーンと言える、ダンスの祭りのようなものだと思う。日本のダンスに特化していて、ダンサーが主役で、今や世界にも通ずる大規模なものとして、素晴らしいと思う。その舞台で、僕らがいいと思っているものをそのまま「ジャパンダンスディライト」という舞台に乗せたとき、結果が出るのかどうかを試したかった。

akimoto既に「SYMBOL-ISM」としても、「CLOCK EYED CANVAS」としてもジャパンに出たことがあり、あの時はちゃんとエンタテインメントをしていたと思うし、あれはあれで好きな作品だった。でも今回の僕らは、エンタテインメントではなく、ただ踊った。「コンテストで勝つために!」という気持ちはなくて、前日までも「無欲でいこう」が合い言葉だった。“ダンスしよう”っていうのが、以前ジャパンに参加した時に比べて、成長したところだと思う。

結果に左右されない正しい反応…
 

周囲の反響としても、音楽に対する姿勢を貫いていたこと、音楽に対する感じ方へのこだわりが評価されたことは素直に嬉しかった。純粋に嬉しいから涙も出た。僕が思うにダンスは鮮度が命。出すまでが自分の作品で、出したら過去の産物みたいなものだと思う。今回の作品は4人がいないと成立しない作品だったし、自然に各々がダンスは生ものであることを分かっていて、それぞれの役割を感じて、信じ合っていたからこそできた。

いろいろな考え方があると思うけど、コンテストやバトルは、音や時間などの限られた制約の中で、いかに爆発できるかを競い合うことに面白さを感じる。ショーは自分で選曲ができて、作品に自分のセンスが出せる。自分たちのスタイルを見せるには音楽が本当に重要。

takuya優勝した僕たちが今言うのもおかしいかもしれないけれど、出された結果に左右されない観客やメディアがもっと出てくると正しいと思う。自分たちに関していえば、たまたまこの日1位になっただけであって、国内ナンバーワンになったわけではない。もっと素晴らしいダンサーが世の中にいることも、諸先輩方が築いてきたシーンへのリスペクトも、自分たちが未完成だってことも分かってる。ダンス界にもっと信頼できるメディア判断が増えれば、まだセルフプロデュースでしかないダンスも向上できると思う。

“何音楽のダンサーなのか”

 

sthoom僕らの強みは、4つ打ちの音と音の間をよく聞いて、感じて、研究していて、その中でどう表現できるかを追及しているところ。最近ハウスのダンサーは音楽の幅が広がってきたけれど、僕らは今“デトロイト”や“ミニマル”と呼ばれるハウスミュージックを主に使っていて、そこでの感じ方、即興的に出す動きを作品にしようとすることだけ。ダンスカルチャーが好きで、僕らにとって重要なのは、音楽があってのダンスであること。ダンスのジャンルやステップなどの形よりも、“何音楽でのダンスなのか”ということが大事で、他のダンサーを見ていても、ダンスとリンクしている人は「あ、この人はファンクミュージックダンサーだな。」「ブレイクビーツダンサーだな。」ってすぐ分かる。

学生、TERU(CLOCK EYED CANVAS)のダンスライフプラン

 

ダンサーを“ダンスをすることでお金を稼いで生活していく人”と定義するならば、自分たちはそうはならないと思います。僕個人としてはダンス以外にも興味があって、僕個人としては30代、40代になって会社で働いている人を見て、自分がイメージしやすかったので、そういう場所で働いてみたいと思ってます。でも、ダンスは辞めないと思いますね。ただ、今はダンスにはまっていて、俺たちは学生だし、ありがたいことにダンスへの時間を確保できる生活を送っています。正直、今はダンス一色で、ダンスしか頭になくて他のことが手付かずの状態。でもダンスから教えてもらうことがたくさんあります。真剣に取り組むということ。練習中の集中力や、本番前の気持ちの高め方など、自分の他の生活の中でもこういったダンスに対する姿勢を、インプットダウンしていきたいですね。新しいものを自分で発見したり、発明していけるような、研究者的なダンサーになっていきたいです。何より、ダンスが自分の生活の中で取り入れられている今のこのダンスライフが一番楽しいです。

今後の目標

 

teruダンサーの地位向上はしたい。理想像としては、言葉ではなかなか表しづらいんだけど、名づけるなら“創造系ダンサー”とでも言うのかな。正しい在り方のようなものはあるので、そこに向いていきたい。確実にダンスシーンの底辺は、「ダンスディライト」の影響を始め、すごく広がってきていると思う。ダンスシーンとしての活動範囲、ダンスに関わる人の人種の幅や年齢層、いろんなものを広げたいし、お客さんの目や質も高めたい。ダンスフリークを増やしたいし、いい意味で頑固者がもっといてもいいと思う。自分の中でやりたいこと、やるべきことがたくさんあって、すぐに有言実行と言うわけにはいかないけれど、身の周りの伝えられる人には伝えていきたいと思う。

'06/09/07 UPDATE
cafe Interviewer AKIKO
取材場所: bottle cafe / 白熊


【SYMBOL-ISM+CLOCK EYED CANVAS】
Info:www.nu-danceproject.jp
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