TDM - トウキョウダンスマガジン

sucreamgoodman 〜 the LINKS 〜
sucreamgoodman 〜 the LINKS 〜
東西を代表するヒップホップチームXXX-LARGEとHEX BEXが共にイベントを打ったり、DVDを作るなど、熱く堅い絆で結ばれているのは有名で、ダンスチーム間の新しい絆のスタンスを確立したと言っても過言ではないだろう。その精神にはヒップホップカルチャーの真髄を感じる。

彼らと共にその絆を共有し、今回、DVD“LINKS”制作のためにニューヨークと日本を繋げたのは、sucreamgoodman。彼らは2006年のDABDAB OSAKAに出演してくれており、その流れからも、仲間として再会したのは必然だったと思わせられる。

今までも口にして伝えているけれど、ストリートダンサー同士でお互いを蹴落とすのではなく、社会から見れば本当に小さなシーンに過ぎないヒップホップカルチャーのカッコ良さ、そしてストリートダンスのカッコ良さの影響力を大きくするためにも、上記の彼らみたく、根本の熱い部分で“LINK”し、互いをリスペクトして、揺るぎないシーンの確立を少しづつ構築させていきたいと思っている。

さっくばらんなインタビューではあるが、シンプルで心地良い時間を共有することができた。今後の彼らの活動に期待し、応援していきたい。

sucreamgoodman(L→R:oSaam, Yohei, DY)
sucreamgoodman

「言葉や文化の壁を超える表現=音楽・ダンス」という信念のもと、現在までアンダーグラウンドな活動で飛躍し続けるHIPHOPチーム。本能に触れることのできるダンスを人々に伝えるため日々道ばたで精進している。

【活動経歴】 OSAKA DANCE DELIGHT vol.22 優勝
HEXBEX + XXX LARGE 【YELLOW BLACK VIDEO】出演&TOUR 参加
STONES THROW JAPAN TOUR 2010 参加 (Madlib&J.Rocc)
STONES THROW JAPAN TOUR 2011 参加 (PBW & Mayer &J.Rocc)
STUSSY PRESENTS M.E.D. JAPAN TOUR 2012 at PROPS
LOWENDTHEORY JAPAN TOUR 2012 参加 (Ras G & Daddy Kev& Nobody)
FEATURING 212MAGAZINE at PROPS
O.C. of D.I.T.C. JAPAN TOUR OSAKA at PROPS
STONES THROW JAPAN TOUR 2012 参加 (Dam-Funk)


sucreamgoodman 〜 the LINKS 〜

僕らがリンクしたい人物はMARQUESTでした。

TDM

今回DVDを作ることになったきっかけは?

oSaam

oSaam最初は、ニューヨークに行って、自分たちのプロモーションビデオを作ろうと言っていたんです。 で、僕が先にニューヨーク入りしたんですが、ある人物に後押しされて、僕がニューヨークに行く前日に、「今回はDVDを作ろう」ってみんなに言ったんです。すると、2人は「え?」ってなりまして(笑)。

DVDってことは3分くらいのPVよりも尺が長くなるし、大作になるから、「そんなに簡単に言ってええんですか?」と。それでも、僕は「いや、いけるいける。」と押して、DVDを作ることにして、ニューヨークに行ったんです。 もともと、PVを撮るという話にさかのぼると、僕ら大阪のアズールで毎週木曜日にイベントをやっているんですが、そこのメンバーの人にカメラマンの方がいるんです。その人とはいつも酒を飲みながらわいわい話しているんですが、僕がその時、DANCE@LIVE FINALに出ることになったので、「お前、優勝して100万とったらどうするん?」と言われて、「とったら、一緒にニューヨーク行って、カメラ回してくださいよ。」「おう、とったらな。」という感じの話をヤイヤイ言っていました。

そしたら優勝できたので、「100万とりましたよ!」って言ったら、「じゃ、行くわー。」と(笑)。 それで、ニューヨークにも来てくれたんですが、先ほど言ったように、急にPVではなくDVDを作ることにしたので、「お前、はよ言えや〜。準備がいるやんけ〜。」と言いつつも引き受けてくれた状況でしたね。

僕らは1ヶ月滞在で、カメラマンはその間の1週間来てくれました。名前はイルミノルさんと言います。


DY

oSaamが先にニューヨークに行っている間、日本で1週間ミーティングしました。約1時間くらいの作品になるとして、撮る素材やタイトル、何をメインに撮りにいくのか・・・。

タイトルはoSaamを後押しした人物の会話の中にあった「LINKS」。その言葉にもあるように、ニューヨークの現地の人たちとリンクしていくということに決めました。背景としてだけのニューヨークを使うのではなくて、その街と直接リンクしていろんな人と出会っていくということを軸に考えていったら、見えてくるんじゃないかということになりました。

そして、そのタイミングで僕らがリンクしたい人物はマークエスト(MARQUEST)でした。

でも、俺らからしたら、マークエストはテレビの中の人やし、まさかリンクできる保証もなければ、もし忙しくてニューヨークにいなければ、何もできない。それで、oSaamがニューヨークに行った時点で、マークエストにFacebookでメッセージを送ったんです。「家行っていい??」って(笑)。

oSaam

その前に、大阪周りでワークショップとショーで来日してたときに、1回会ったことがあって、ご飯を食べたときに、「今度ニューヨークに行くよ。」ということも話していたので、その流れでメッセージを送ったんです。

DY

マークエストから「いいよ。」という返事が来たと聞いたのは、俺たちがニューヨークに着いてからだったので、「マークエストがニューヨークにいて良かったー」と(笑)。それから会うことができて、いろんなところを紹介してもらいながら撮っていったので、こういう勝手で自由なストーリーが生まれていきました。

撮影が終わるたびに、カメラマンのイルミノルさんと4人で何度もミーティングをして、「これじゃあかんな。」とか言いながら、限られた撮影期間の中で、妥協せず、やりたいことを撮っていきました。

TDM

1週間の撮影前に必要な下調べや内容も詰め切れていなかったのに、あんだけいろいろ撮れたのは、すごいね。

DY

DYニューヨークは僕らも初めてではないですし、oSaamくんは住んでいたこともあるので。

oSaam

2004年に10ヶ月住んでました。英語はうまくいかなかったッスけど。

Yohei

僕も3回目で、DYくんは4回くらい行ってますね。好きな場所もあったし、撮りたいモノもいくつかイメージができてました。

ストリートの精神。先人や、仲間へのリスペクト。


TDM

最近のニューヨークってどんな感じかな?

DY

自分たちも毎回行くたびに新しい発見があるんですけど、実際にニューヨークも変化していて、僕らも変化して見方も変わっているので・・・。

oSaam

まだまだ知らないアンダーグラウンドなところがニューヨークにあるはず、そこに行きたいっていう気持ちで行っていますね。リアルなニガーやストリートの状況に、怖いけど深入りして行きたくて、でも、毎回そこには行けないっていう繰り返しですね。

先ほども言いましたが、ニューヨークでDVDを作れよって言ってくれた人物がいまして、212マガジンというニューヨークのストリートスナップ雑誌の撮影、編集、流通、すべてを一人でやっているテツヤシモヤマさんという方です。

その人と僕たちとも仲が良くて、日本の事務所と僕らの家が近所だったので、僕らのイベントにも遊びに来てくれたり、アーティスト写真も全部シモちゃんに撮ってもらっています。その人の言うニューヨークっていうのが、新鮮なことばっかり。言い方が全然違うんです。

いつも話をしていて、「そうだな。そういう精神は忘れちゃいけないよな。」って思えるような・・・、ニューヨークのストリートなものを伝えてくれて、俺たちに話してくれます。

TDM

ストリートの精神って言うと?

DY

ん〜・・・難しいですね。

oSaam

シモちゃんやったら言えそうやけどな。ストリートを大事にしているのはでかいです。ストリートの横のつながりを軸に、自分の表現を使って活動していく、その、根元にある考えっていうか・・・。

例えば、俺らの表現はダンスなんですけど、ダンスばっかりに走りがちじゃないですか。でも、そうじゃなくて、自分の周りの、仲間だったり、家族だったり、そういうのを大事にした上で耕していったら、熱いものがしっかりできる。そういう、シンプルなとこだよな。

DY

うん。めっちゃシンプルっす。

TDM

熱い想いだね。

DY

そうですね。先人や、仲間へのリスペクト。

自分らがやっているパーティーも、自分達だけではなくて、DJとラッパーと自分達ダンサー、みんなでやっています。ダンスイベントではなくて、ヒップホップのイベントなんですね。

このイベントのことを支持してくれる人みんなが主役で、みんなが楽しんでいってほしいっていう意味もイベント名のPROPSには込めていますし、そうやって大阪から発信したいですね。

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sucreamgoodmanにリンクしていく人・心。


TDM

完成したDVDを引っさげての今回ツアーをやることにあたっては、具体的に何からはじめたのかな?

DY

それも、マークエストに会ったときです。3〜4日の撮影にずっと協力してくれました。ご飯を食べていたときに、自分達のことを、ブルックリンの家まで訪ねてきたのは初めてだと話してくれて、それを多分すごく良く思ってくれて、マークエストが「大阪に行きたい。俺の第二の故郷だから。」って言ってくれたんです。

そう言ってくれた瞬間に、俺たちのDVDを出すときにツアーを回ろう、マークエスト呼んだらめちゃヤバない?と言うことになりました。ワークショップを組んで、ケアしてあげることで、マークエストにも還元できるし、自分らも一緒に踊りたいし。

だから、DVDリリースと同時に呼ぼうというのは何となく決めていましたね。

そんな中、D'OAMのKYOGOくんが、もともと、マークエストと2人で2013年の1〜2月にアジアを回ろうという話をしていたらしいんです。それを聞いて、じゃ、大阪に呼ぶなら一緒に呼びましょうよ、ということになりました。

oSaam

KYOGOくんが、「じゃ、日本はシュークリームに任せるわ。俺はアジアを回ってくるから。」って言ってくれたんです。先にKYOGOくんの方が決まっていた話やったのに、そう言ってくれて、「マジっすか!?めっちゃKYOGOくん、ヤバい!」ってなりましたね。

正直、俺たちだけでは、DVDのことだけで頭がいっぱいで、ツアーのことなんてでけへん!と、あまり動けていなかったんです。でも、次に聞いたときには『アジア・日本ツアー』の内容になっていました。それでツアーをはじめることができましたね。


DY

本当に、全部タイミングが良かったというか、運が良かったというか。

oSaam

自分たちだけでイベントをやったことがなかったので、各地のダンサーたちにお願いしつつ、最後は大阪で自分たちがやっているイベントに集結させて、マークエストに帰ってもらおうという話の真っ最中です。

広島はTAKAさんに組んでもらいました。北海道はMETH、東京はタケ(TAKESABURO)、名古屋はSkullz、大阪はPROPSをスペシャルで。マークエストがいなくなっても俺たちだけでツアーを続けるんですが、そっから長崎、愛媛から石川と新潟に行って、最後にファイナルとして大阪のグランカフェでやります。それはHONGOUが動いてくれているので心強いッス。

TDM

仲間が仲間のために動いている感じだね。まさに、リンクさせているというか、みんなを繋げているよね。

DY

そういう存在になれてたらいいですね。地方のみんなには丸投げしているし、けっこう無茶ぶりやと思うんですよ。でも、こういうイベントにしたいっていう色を伝えてやってもらっています。

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Yohei

東京は本当にヒップホップらしい、ダンスに全然偏ってないメンツで、いい仕上がりです。コアで、アンダーグラウンドな、かっこいいイベントにしたい!って言っていたので、タケくんが「そしたら、任せてよ。」って言ってくれました。本当に頼んで良かったです。

DY

うん、バッチリっす。

oSaam

でも、本当にマークエストの踊りは、ヤバいんですよ。

DY

DVDは、本当にすごいことになっています。参考になるんやけど、ならないです(笑)。なんかもう、ちゃうんすよね。既に、地方で一緒にショーをやらせてもらってますが、ステージに立っている空気感とか、いつもの3人で踊る感覚とはまた違う。でも、この3人、プラス、マークエストでよかったと思います。

TDM

東京は遊びに行きますね! 昔、DABDAB OSAKAに出てくれてましたもんね。

oSaam

東京でやってる良いダンスイベントのイメージがあって、それを大阪でやってくれると知って、嬉しかったです。

DY

僕らもヒップホップをはじめた当初だったんで、ものすごく緊張感がありました。自分らも踊ったことのないすごい場所でした。

TDM

なんかそういう面でもつながりを感じるね!今後の活動を応援しているね。 今日はありがとうございました!

interview by AKIKO
photo by Yusuke Oishi(Marco Monk fiLm)& AKIKO
'13/03/30 UPDATE
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