TDM - トウキョウダンスマガジン

MARI KODA a.k.a. KODANCE 〜 架け橋 〜
MARI KODA a.k.a. KODANCE 〜 架け橋 〜
人にはその年代の役割が必ずあると思う。“純粋な想い”のまま突っ走る大切さとエネルギーが優先した世代。選択肢が多様にある現実に対して自分らしい生き方を選択する、客観的な意思を持つ傾向がある現代。個人が何を尊重するのかはさまざまで良いとして、いわゆる、影響力の大きいほうが、その時代を牽引していく。

KODANCEもまた、その“想い”を貫き、我が道を進んでいるダンサーであることは間違いない。彼女の存在があるからこそ、動かせる現実があるということを立証してくれたインタビュー。自分は何のために動き、何を伝えるのか・・・できることは現実であり、それが経験へと直結する。それぞれの“何”を感じとってもらいながら、感覚をまっさらにして読んでもらえたら嬉しい。

KODANCEMARI KODA (KODANCE)

日本人で唯一、ディズニー配給のハリウッド映画ステップ・アップ・シリーズの前作「ステップ・アップ2ザ・ストリート」から同じキャラクターで、今回世界初の3Dダンス映画となる「ステップアップ3D」に出演しているコウダ・マリは、東京からNYに移住しTV、CM、PVなどに出演するダンサーとしてスタートし、現在は平行して女優としても活躍している。

2004年に初めて出演したカナダ映画「OVERLOOKERS」は、カナダフィルムフェスティバルでベストヒューチャーフィルムとして受賞し、LAインディペン デントフィルムフェスティバルではベストディレクター賞を2005年に受賞。2008年に世界40カ国で公開された「Step Up2 The Streets」 ではジェニー・キドという日本人役で出演し、アメリカでは中高生を中心に人気キャラクターとなった。

そのほか過去には、グラミー賞受賞者で世界的トップアーティストのパティー・ラ・ベルの振付師兼ダンサーとして全米ツアーに参加し、2005年にアカデミー賞レイ・チャールズを演じ主演男優賞を受賞したジェイミー・フォックスと、MTVアワードのオープニングナンバー「ヒップホップオペラ」で、リンカーンセンターの舞台で共演。

その他、ミッシーエリオット、ティンバランド、50CentなどのPVにソロ出演。ヨーロッパ、カナダなど世界中をダンスで駆け巡り、全米で放送されているダンスコンテストではソロ優勝、NYで行われていたダンスバトルでも2年連続でソロ優勝。これら米国でのヒップホップカルチャーを中心としたアーティスト活動の功績が認められ、2005年に日本人では初めての非ヒップホップを主としたアーティスト米国永住権(グリーンカード)を取得した。

また、ROCK STEDY CREWにも所属。ヒップホップだけでなく、サルサ、ハッスル、ハウス、バレエなど、ジャンル隔たりなく音楽に合ったダンスパフォーマンスを心がけている。現在、全米で放送されている広告機構にてドラッグの危険を知らせるティーン向けのCMに出演中。

[Twitter]http://twitter.com/kodance1
[Official Web Site]http://www.kodance.com/


音楽が好きな気持ちを、自分なりにどう表現するのか
となったときに選んだのがダンスです。

TDM

前々からダンサーたちからKODANCEさんのお名前はお聞きしていましたが、お会いするのは初めてになりますね。

KODANCE

KODANCEよく「コダンス」って言われるんですが本当は「甲田が踊る」から「コウダンス」なんですよ。

でも、理解されてなくって、背が小さいダンサーだから「小(こ)ダンス」っていうイメージがあるみたいです。

TDM

そもそもダンスを始めたきっかけと、
ニューヨークに行ったきっかけを教えていただけますか。

KODANCE

ダンスを始める前に、音楽が好きで、音楽鑑賞が趣味でした。
その音楽が好きな気持ちを、自分なりにどう表現するのか
となったときに選んだのがダンスです。
ダンスが好きというよりは、音楽が好き、が先行しています。

洋楽が好きで、ヒップホップは聴かず、
マドンナとか、スティービー・ワンダー、
ホイットニー・ヒューストン、ボンジョビとか、
耳に入ってくる英語の曲がなぜか好きでしたね。

マイケル・ジャクソンも好きでしたが
聴きだしたのはニューヨークに来てからです。

ダンスは、小さい頃に、家踊りというか、
音楽を聴いて「うわー!」って踊っちゃうのが最初です。
日本にいるときは、あまり人と会話が合わなかったんです。
周りのみんなは日本の曲を聴いていて、私は一生懸命、
目をこすりながら深夜番組を見て洋楽を聴いていました。

当時はダンススクールあるなんて知らないし、
何もワケのわからない状態で、ダンス甲子園を見ていたときに、
「わー、すごーい!」と思ったりしました。
でも、当時は、自分とは違う世界という感じでした。

地元にいるときって世界が狭いじゃないですか。
地元は渋谷区笹塚なんですが、六本木に行くこともないし、
クラブに行くこともないし、淡々と過ぎてく日々でしたね。

TDM

そのときはダンスをやりたいって思ってなかったの?

KODANCE

ダンスはもちろん好きで、
踊れたらいいなとは思ってましたけど
仕事も真面目にしてたし、上司に頼りにされていたし、
自分の中で、きっかけというか、大きな転機はまだなかったです。

TDM

ニューヨークがきっかけでダンスを?

KODANCE

高校生の時の夏休みにある出会いががあって、
それがニューヨークに行くキッカケでした。
そのときに「あ、ここに住もう!」と思ったんです。

私は1ヶ月間居て、毎日フラフラして、凄く自由を感じました。
音楽もあちこちで流れてて全部が凄く新鮮でした。
ドラッグストアーとかに入っても
普通に2時間位たっちゃってましたね。
とにかく面白いことだらけでした。

それから、日本でお金を貯めて、ダンスとは関係なく、
「半年間英語勉強しに行ってきまーす」って感じで
語学留学としてニューヨークに行きました。

父親にニューヨーク行きを伝えたのは、出発1週間前くらいですね。
ビザの手続きから留学先、チケット手配まで
全部自分一人で決めて実行ました。
かなり自立心が強過ぎでしたね...。

でも、いざ留学して半年間いても全くしゃべれなくて…。

ただ、ビザは5年間取れていたので
「じゃ、お金貯めてまた戻ろう」と思って、
再びニューヨークに戻りました。

フリースタイルのソロを踊れる女の子がそんなにいなかった。


TDM

ダンスを真剣にやろうと思ったきっかけはいつ?

KODANCE

当時は、毎週のようにクラブに遊びに行ってました。
音楽聴きに自由に踊りに。

ニューヨークのクラブは無料なところがほとんどでした。
パーティーする側にもダンサーがいると
パーティーが盛り上がるじゃないですか。
だから、皆気軽に入れてくれてましたね。

踊ってると「ナイス!」とかって言われたりとかしてて。
そのうちに「今度ファッションショーがあるから出てくれない?」とか、
ハーレムにあった有名なヘアサロンなどの
ショーのオープニングとかに出演したりとか、
そのステージ担当してる人が決めた音楽を、
私は本番に初めて聴いて踊るっていう感じでした。

すごくアバウトな感じでしたが、
コイツは大丈夫だろうっていう信用はあったみたいです(笑)。

当時は日本人で、しかも振付じゃなく、
フリースタイルのソロを踊れる女の子がそんなにいなかったので、
重宝されたんだと思います。

それからショーに出るようになって、
それを観た人が「今度ミュージックビデオに出ませんか?」とか、
「エージェントに入ったほうがいいんじゃない?」となって、
エージェントのオーディションに行きました。

すると、受かってエージェントに所属することになり、
それからちゃんとした仕事のオーディションを受けるようになって、
ミュージックビデオやCMやTVなどに出演するようになりました。

TDM

そのときも、ダンスに携わることはしてきたけども、
執着はしていなかった?

KODANCE

KODANCEクラブに行くのがとにかく好きでしたね。 音楽が大好きで遊びに行ってました。

サークルにも出てたし、どんどん知られるようになってきて、 ダンスの仕事と、プライベートのダンスと、 自分の中で判断が難しくなってきてました。

私は楽しめればそれで幸せだけど、生活もしなくちゃいけないワケですからね。
同じことをして、お金が貰える状態とそうでない方との
バランスを取るのは大変だった気がします、今思うと。

例えば、大好きなDJで4時間踊り狂ってすごく幸せを感じるのと、
仕事で10分踊って100万円もらったら、
なんか変な感じですよね・・・。
例えが大げさすぎるかもですけど(笑)。

TDM

ニューヨークにはどれくらい住んでますか?

KODANCE

10年以上ですね。

TDM

ダンスシーンは10年前と変化はありますか?

KODANCE

いえ、ニューヨークは同じだと思います。
でも、最近私が行く場所はあまりダンサーはいないですね。
DJを基準にして行くので、
ダンサーが居ない所でもすごくハッピーで、
一人でも音楽さえ良ければずっと踊ってます。

TDM

ダンスの練習はしますか?

KODANCE

スタジオを借りってってことは無いですね。
素敵な音楽をかけてくれるDJがいるクラブに行くことが
練習になってるのかもしれないですね。

映画出演より友達を優先したはずが・・・!?


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これまで「STEP UP」コラボレーション企画や「STEP UP2」の出演者EBONEにも お話を聞く機会があったのですが、
今回の「STEP UP3」に携わってみて、率直にどういう感想でしたか?

KODANCE

実は私は最初の「STEP UP」を見ずに
「STEP UP 2」からの出演だったんです。

というのも、
オープンコール(一般)のオーディションを受けて、合格してから
「これ、何のオーディション?」と聞いて、
「STEP UPだよ。」
「何それ?」
「何って、映画だよ。」
「シリーズもの?」
「今、お前が受けていたのはその2だよ。」
「あ〜なるほど」って感じで。

でも、一度お断りしているんです。
「友達の結婚式でロサンゼルスに行くんで、
ちょっと難しいんです。」って。

自分では自分のことを友達想いのいい奴だなって思ってて、
「これは、ロサンゼルスについたらみんな喜んでもらえるかな〜!」って思っていたんですけど・・・

ロサンゼルスの友達もエンターテイメント関係の子たちで、
「実はSTEP UPっていう映画のオーディションに受かったって
昨日連絡来たんだけど、やっぱ友達の結婚式を取るよね〜!」
って言ったら

「アンタ、馬鹿じゃないの・・・
やっぱりやりますって今すぐ電話しな!」
って、言われてすぐにニューヨークに帰らされて、
結婚式には不参加になって。

結局、先方も「親友の結婚式に出てからでいいよ」と言ってくれて、
1週間遅れで撮影に参加しました。
ただ、ニューヨークに帰っていたので
結婚式には参加できませんでしたが・・・。

本当は、オーディションに行く前日まで友達が入院してて、
ずっと看病してたんですよ。
オーディションに行く前の準備より、こっちを優先してて。
なので、もしかすると、この仕事は、
そのご褒美でもらった仕事だったのかもしれないです。

タイミングってあるじゃないですか。
どちらかを選ばなきゃいけない時とか、
なんか“生き方テスト”みたいなのを
受けてたのかもしれないですよね。

「STEP UP2」の撮影現場がボルチモアで、
出演ダンサーのほとんどがロサンゼルスとニューヨークだったので、
みんな家から離れてホテル生活をしながらの撮影でした。

だから、リハーサルから
どんどん一体感が出てくる感じ、わかります?
みんなで仲良くやっていこう!っていう感じで、
毎週みんなでボーリング、ゲームセンターや、
ご飯食べに行ったり、わきあいあいとやっていました。

映画の中で敵チームはリハーサルの場所も違うし、
一切お互いに振付を見せあわないんです。
知らないまま、だから本気モードになりますよね、本番も。

お互いの振付師は別で、練習場所も、隣同士だけど、
窓に紙を貼って絶対に見えないようにしていました。

そういうのを経て、
「STEP UP 2」は大ヒットだったんですよ、予想以上に。
実はもう「STEP UP 2」の撮影中に
「STEP UP 3」ができることが決まっていたんです。

じゃ、どうするかってなったときに、
「STEP UP 2」から出ている
Adam G. Sevani演じたMoose(ムース)と
私が演じたJenny Kidoが大好評だったので、
Jenny Kidoが東京に行ってダンスをする話か、
Moose君がフランスに行って
かわいい女の子と出会って恋に落ちる話か、
など、いろいろ案はありました。

ただ、結果的には、どっちも予算が合わないということになり、
舞台はニューヨークになったんです。

踊りました。歌いました。吹き替えました。


KODANCE

Moose君は、ボルチモアから引っ越して、
ニューヨーク大学に行くことに。

じゃ、Jenny Kidoはどうしようか・・・となったときに、
「STEP UP 2」では交換留学生の役だから、
ボルチモアの学生生活を終えてから、
ニューヨークにいるのは不自然・・・
そしたら、両親がニューヨークに
住んでいることになっちゃったんですよ。
しかもコニーアイランドで、
ゲームセンターを営んでいたっていう (笑) 。

監督と話していて、
「これだと2から話が合わないんだけど!」って言ったら、
「いや、マリだよ、“今度はファミリーの設定にして!”
って、言ったのは。」
「マジで?」ってメールを見返したら
確かに「今度出るときはファミリーでよろしく」
って書いていたんです (笑) 。

そしたら、監督も真に受けてくれて、
「用意しといたから!」って言われました。

KODANCE実際、私はもともと一人っ子で父親と2人きりで、父もすごく忙しい人だったので家族のようなリレーションシップはなかったんです。きっと他の出演者からそれを聞いた監督が映画の中では家族を作ってくれたのかと思います。

「STEP UP 3」のリハ中も
「マリ!今日、オーディションで君の母親役みつけたからね!
けっこう似てるよ!」みたいな。
実は、これを言われた日は、実の母親の命日だったんですよ。

でも、結局家族のシーンはすごくカットされちゃっていたので、
キャストがゲーセンに来るシーンがあって
私が場所を提供するおかげで、
ワールド・ジャムっていう世界大会に
出れるって話になっているんですけど、
私がバイト中か、オーナーかって見え方もできるので、
もし、今後「STEP UP 3」を観る人が
このインタビューを読んでくれていたら、
「どういう経緯なんだろう・・・あ、隣にいる人、アレが両親か!」
と、そのへんを思って欲しいっていうのはありますね (笑) 。

そのシーンでは、日本に撮影に行けなかった分、
ゲーセンも東京に見立てています。
しゃべり方を東京っぽくしていたり。

日本語の歌が入ってますが、
アレは私が作詞作曲で歌ったんです(笑)。
歌詞を聴くと面白いので、
そちらもネタとして笑って頂けるかと思います。

あと、今回は自分で日本語吹き替えもやらせてもらいました。
自分が英語で話してる部分はもちろん、
日本語でしゃべってる部分も改めて日本語で言ってます。
吹き替えはとても楽しいので、またやりたいですね。

アメリカ人がウケる言葉を
日本語に吹き替えなきゃいけないので、
日本ではわからない部分もあるじゃないですか。
英語のなまりは日本語になっちゃったらわからないでしょ。
私的には、そこをすごくちゃんと日本語の吹き替えになっても
わかるようにしたいと思って。

日本人として出演したんだったら
そこは、日本人としての面白さを伝えられるようにしたいと思って
色々とわがまま言って監督さんにお願いしました。

コーディネーターとしての顔も。


TDM

今回の来日はプロモーションのためですか?

KODANCE

KODANCEいや、もともと代々木第一体育館で開催されたブレイキンの世界大会Red Bull BC Oneのライブ出演をするためにビッグ・ダディ・ケイン (Big Daddy Kane) を連れてきていました。

彼らのコーディネートとブッキングを私がしていて、来日している間に「STEP UP3」の日本版に協力できることをしようという形で日本に来る前から関係者に話しをしていました。

ケインたちを空港に送ったとき、
「じゃ、私はこれからちょっといろいろあるから。」
「一緒に帰んないの?」
「うん、またアメリカで会いましょう。」って (笑) 。

彼らにしてみると、
「なんで映画に出ている女優ダンサーが一緒にいるの?」
って、感じかもしれないですが、私は彼らの音楽が好きだし、
本人たちも、今までもダンスに興味ありましたけど、
今回で日本のダンスシーンを
より理解してくれたみたいで良かったです。

私はアメリカ人に日本の音楽、
ダンス文化を教育するタイプかもしれないです。

私にとってニューヨークに直接行って学び
理解できたことはすごくありがたかったです。

今ではヒップホップ文化も深く理解してますし
直接彼らからいろいろ話を聞けることは
歴史に関わってきた人たちなわけですから
間違いはないと思うんです。

そうしたら、その逆もありで、
彼等が日本に来たら私は日本人として
日本の良さを深く知って欲しいって思うんです。

海外のアーティストの中には「日本に来てあげてる」
という意識や感覚の人もいるので、そうじゃなくて、
この関係はフィフティ・フィフティなんだよっていうことを、
私が間に入ってまとめないとダメなんじゃないかと。

TDM

そこがわかっているっていうことで全然すべてのところで違いますね。

KODANCE

イベントで関わるすべての人たちを
紹介したり接する機会を持てるよう努力しています。

せっかく出会えたのだから交流することって大切だと思うんです。
挨拶や礼儀は、お互いの文化を
リスペクトすることに繋がるわけですから。
おかげさまで、私が関わるDJやMC、
プロデューサーたちは皆また日本に行きたいと言ってくれます。

音楽とダンスは繋がっているものなので、
私は彼らの音楽で踊りたくなるわけですし、
彼らはそのダンスで喜んでくれるわけです。

目に見えない信頼関係というのは、
こういうところにも繋がってるかと思いますね。

・・・今の会話、
全然「STEP UP 3」の話じゃないな・・・ (笑) 。

戻しましょう。

今回の見所!
両親!日本語の歌を耳を澄まして聞いて見て! (笑) 。

ファンの喜ぶ姿に「あー良かったー。」


KODANCE

あとはなんだろな...
あ、でも、劇場の3Dで見れたら、もっと面白かったんですけどね。

KODANCE結構タットのシーンがあるんですけど、 それが目の前に出てくるんです。それがすごくかっこよくて。

あとは、最初のバトルシーンで、ぶわーって砂ぼこりが舞い上がるシーンも全部立体的に出てくるから、映画館で見ると、「あー!」ってなりました。

でも、私のシーンがあまり3Dで出てこなくって (笑) 。「あれ!?私のシーンあんまり出てこないな!」みたいな。 ただ、今回はあんまり踊ってるシーンが少ないので。

でも、私が「そんなに踊らなくてもいい。」って言ったんです (笑) 。 どちらかといったら、演技のほうがいいかなと。

キャラクターとして世界のトップの人たちが共演者にいて、
そういう人たちが前に出たほうがいいじゃないですか。
私は「STEP UP2」で、自分は踊れて、
自分は演技ができるということのステートメントは作ったし、
「STEP UP3」での私の役割はサプライズだったので。

私の登場は結構後半で、
それをきっかけに「STEP UP2」からの共演者が
出てき始めるんですが、実際にお客さんの反応が見たくて
隠れて映画館に観に行ったりしたんです。

出てきた瞬間、観客がものすごく喜んでくれていて。
「うわー!彼女だ!出てるー!!」
って、みんな手を叩いて喜んでくれていたので、
あ〜良かった〜って。

やっぱりそこのインパクトが大事じゃないですか。
しかも、それがファンの子たちが、喜んでもらえるような形で。

前作から2年経ってる中で、彼女がボルチモアから引っ越してきて、
ゲームセンターでバイトしているというキャラクター設定は
自分が作ったもので、演技に関しては
「STEP UP2」も「STEP UP 3」もほとんどアドリブだったんです。

そのキャラクター設定をしていることを
監督さんが知ってくれていたから
テイク1だけちゃんとやるけど、
テイク2からは好きにやらせてくれました。
その中から、面白いのをピックアップされた感じですね。
自由でしたね。

TDM

今までお話を聞いていて、
ダンサーという形での表現も持ってらっしゃるんですけど、
アーティストとしていろんな才能に対して、
自分ができることをいろんなところでやっていって、
毎回自分の考えた意識の中で
よりいいものをジャッジしながらやっていく
というスタンスに感じるんですけど、
その中でも、自分の中で軸になっているもの、
大切にしていることはありますか?

KODANCE

それは、日本人だっていうこと。
それを前面に。

余計なお世話だけど、私が海外で発言すること、
やること、すべてに関して
それは日本人っていうのがバックボーンであって、
日本代表、ではないけど、そういう思いを持っています。

大きく言えば、イチローさんもそうだし、松井さんもそうだし、
彼らは大リーガーで、野球というフィールドにいて、
私はダンスだったり、エンターテイメントのところで、
キャラ的にはお笑いにはなってしまっていますけど、
人を喜ばせる仕事をしているということは、共通していますし、
社会貢献にもなっていると思います。

ダンスで笑いを誘うこともできるんですけど、
あくまでダンスはクールでいたいと思っています。

面白いお笑い系のダンスを観るのは大好きなんですけど、
自分はそこはやっぱり分けていたいです。
ダンスはクールだけど、演技は
どちらかというとコメディ的なほうが私は楽しいです。
両方を一つでできるほど器用じゃないですし、
考えて踊ることはできないので。。。

頑張った分だけ、世界は目の前に広がる。


TDM

今後はどういう展開をイメージしていますか?

KODANCE

今後は、日本とアメリカの架け橋です。

2011年はワールドトレードセンターが
無くなってから10年目なんです。
ニューヨークにもお世話になってるし、
あの時代からニューヨークにいたから、
私はニューヨークに対してお返しできることをしたいと思ってます。
そして同時に日本人の人たちにも役立てることが大切。

日本の人も、私が映画やメディア関係のことをすることによって
「あ、この人ができるんだったら、私もいけるかも!」
って思って欲しいです。

「私は映画に出ていてすごいでしょ」じゃなくて、
「こういうことが私でもできるんだから、
あなたたちも頑張ったら、世界は目の前に広がるよ」
って伝えたいです。

2001年当時、日本人だけのグループで
アポロシアターのアマチュアナイトで勝ち抜いていて
結果的には年間グランドチャンピオンになりましたが、
途中9.11テロがあった時にメンバーとして
モチベーションをコントロールすることがとても大変でした。

前日まであったものが目の前から突然消えると同時に
たくさんの命が失われる恐怖っていうのは
心にすごく負担を与えることなんだと。

TDM

言い方変えれば、いい見本ですよね。

KODANCE

そうそう。モデル体型ってわけでもなくって
女優さんみたいに奇麗でもないし、単に音楽が本当に好きで、
歌詞の意味を知りたくて英語勉強しようって
ニューヨークに行って、趣味にダンスがあって・・・

そんな中で、人に喜んでもらうことを考えると、
お客さん、ファンがあってのお仕事があって、
どうしたら喜んでもらえるのかっていうことを考えていくと、
自然に、しなきゃいけないことがわかってくる。

日本人として、こういうキャリアを積んできたんだから、
今後日本から来る人たちを
ちゃんとバックアップできるようにと考えています。

私の時は誰もアメリカに先駆者がいない状態だったので
結局手探りで、時間がかかってしまったけど、
その手探りの部分を私が伝えられるように
日本の人たちに広められたら、
もっと日本人が活躍できるのが早くなる。

ポッピング、ロッキングのレベルも、ルーティーンの構成も
世界でトップレベルだと思いますし、
日本のダンサーたちはものすごい可能性を持っていると思います。

TDM

最後にTDM読者にメッセージをお願いします。

KODANCE

KODANCEもっと自分の好きな音楽を知ってもらって、感じてもらって、愛してもらってそれで表現してもらえたら表現力が広がるかと思います。ジャンルは関係なく。

もし自分が心から好きな曲があったら、とかを深く思うようになる・・・するとそれがダンスにも出てくると思います。

もし自分が心から好きな曲があったら、その歌い手さんの気持ちとか歌詞の内容だったりとか深く思うようになる・・・ するとそれがダンスにも出てくると思います。

例えば、Bボーイで有名なクレイジー・レッグスは
知られてるのがBボーイだしブレイキンだから、
ブレイクビーツしか聴かないって思われがちですけど、
実際はみんないろいろな音楽を聴きます。
ハウス、ロックもR&Bも、
ディスコ・ソウルも聴きますし、DJもします。

ケインも、ファンクを聴いていたし、
今回BC ONEの際空港にむかう車では
R&Bクラシックを聴いてました。

本来は音楽は全部ひとつで、
その中に好みが存在しているから
ジャンル分けがあるわけですよね。
音楽は年齢、性別、人種、色々な壁をなくしてくれる
すごいパワーがあるんです。

私は女性で日本人で未だに英語にアクセントがある。
でも音楽っていうのが、その壁を超えて
世界中の人と仲良くできるキッカケをくれるわけです。
すると、必然的にダンスは音楽への「感謝の気持ち」
というスタンスになると思うんです。

ダンスをする上で基本というのは大切だと思います。
ただ、なんでも分けてしまうと
“そのジャンル以外はちょっと・・・”というダンサーも多いですよね。

私はバレエのクラスを受けていましたが、
ライブピアノで踊れるので本当に楽しかったんです。
テクニックがなくてもピアノ演奏が聴きたくて
バレエのクラスを受けて、誰よりも楽しんでたと思います。

できなくても間違えても良いんです。
クラスなんですから、誰かのためにしてるのではなく、
それは自分自身のためです。
クラスで他人の目を気にする必要はないと思います。

今、世界で色々なことが起こっています。
そんな中で、音楽とダンスは、世界中の人々を癒す
最高のポジティブツールだと私は思います。

音楽とダンスで世界中のみんなが一つに繋がって
たくさんの人たちを笑顔にできたら素晴らしいと思うし、
そうなるよう心から願って活動してしていきます。

TDM

そうですね。今日はありがとうございました。
'11/03/16 UPDATE
interview by AKIKO
photo by imu
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ステップ・アップ 3 ステップ・アップ・シリーズ第3弾!
「ステップ・アップ 3」


ダンスを通じて経験するさまざまな出会いと別れ、すれ違い・・・。
若いダンサーたちが直面する悩みと葛藤、愛と夢を描いた、STEP UPシリーズ最新作。



DVD発売・レンタル開始日 :2011年3月16日 (水)
料金 : 3,360円(税込)
発売元:ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン
(C) Buena Vista Home Entertainment, Inc. and Summit Entertainment, LLC

●ストーリー
ニューヨーク最高のダンスチームのリーダー、ルークは間もなく開かれる世界最大のヒップホップのダンスバトルである“ワールド・ジャム”の準備をしていた。そんなある日、路上のダンスバトルで相手を瞬く間に制圧してしまった少年ムースに偶然出会い、その才能に魅了されたルーク。すぐに彼を自分のチームに招き入れる。その後、クラブで人並み外れたダンスの実力と美しさを合わせもっとナタリーと出会ったルークは、ナタリーもチームに引き入れる。

  2人の天才ダンサーの参加により、更にパワーアップしたルークたちのチームは、パワフルなダンスと華やかなパフォーマンスで舞台を制し、予選を通過する。 決勝が近づくにつれてチーム全員が世界最高のダンサーとしての栄誉を勝ち取ることに興奮する。しかし、ナタリーにはルークに言えない秘密があった・・・。

●スタッフ
監督: ジョン・チュウ 「ステップ・アップ2:ザ・ストリート」
脚本/原案:エイミー・アンデルソン/エミリー・メイヤー/デュエイン・アドラー

<キャスト>
ルーク:リック・マランブリ (福田 賢二)
ナタリー:シャーニ・ヴィンソン(坂本 真綾)
ムース:アダム・G・セヴァーニ(深津 智義)
カミール:アリソン・ストーナー(河原木 志穂)
ジェニー?キド:コウダマリ(甲田 真理)
ヘアー:クリストファー・スコット(名村 幸太朗)
ケーブル:ハリー・シュン Jr. (興津 和幸)


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