TDM - トウキョウダンスマガジン

HIRO 〜 確信犯。 〜
HIRO 〜 確信犯。 〜
今年7月30日(土)〜8月7日(日)まで神奈川芸術劇場(KAAT)で開催される本邦初のストリートカルチャーをテーマとしたダンスフェスティバル「KAAT STREET DANCE FESTIVAL」で中心になって動いているHIROと話す機会があったので、久しぶりにいろんな話を聞けた。変な言い方だけど、なにかひとまわり大人になっている感じがした。先日のTHE ABSOLUTEの大盛況を見ても、今、いろんなイベントに取り組んでいる彼だからできることが、これからたくさんあると思う。

勝ちも負けも、ひととおり経験することで身に付けた説得力。言葉よりも行動で示していく戦略。ダンス以外の部分で見せる姿勢がつなぐ信頼関係。そして、「日本は世界にももっと通用する存在になる!」と未来へと導こうとする気持ち。 説得力のある人が戦略を立てて真剣に取り組めば新しい未来が築けるのでは…。インタビュー後、みん なで力を合わせてダンス大国・日本を創り上げていきたいと感じた。

HIROHIRO

97年より4年間留学し、HOUSEのオリジネーター集団“DANCE FUSION”に所属。ALMA、S.T.O、GLASSHOPPERとしても活動し、数々の大会・バトルで優勝。海外イベントでのゲスト出演、審査員なども務め、ダンスイベント「RAISE UP」「THE ABSOLITE」のオーガナイザーとしての一面も持ち、マルチな才能を持った実力高いダンサー。

<経歴>
JUSTE DEBOUT 世界大会 2007 PARIS 優勝
JUSTE DEBOUT 世界大会 2008 PARIS 準優勝
THE GAME 2年連続優勝
JAPAN DANCE DELIGHT VOL.1 準優勝
JAPAN DANCE DELIGHT VOL.10 準優勝
JAPAN DANCE DELIGHT VOL.14 準優勝
JAPAN DANCE DELIGHT VOL.15 優勝
STREET DANCE KEMP IN CZECH 2009 HOUSE 優勝
TV ”少年チャンプル”出演
MISIA TOUR ダンサー
小柳ゆき ライブ ダンサー
DVD TOKYO INDEPENDENT VOL.1 出演
DVD TOKYO INDEPENDENT VOL.2 出演
DANCE STYLE STEPPERS 出演


イベント制作者HIRO。8月企画をお楽しみに!

TDM

今回夏のKAATのストリートダンスイベント企画で
HIROと一緒に制作を進められて嬉しいよ。
ずーっと前から私は
「HIROはイベントをやればいいのに!」って思ってたもん。
HIROたちのイベントの日程はもう決まった?

HIRO

HIRO8月4日に、平日なんだけど、1on1のバトルを企画してるよ。各ジャンルに分けて、年齢制限も無くす、しかも無料でエントリーも観戦もできる形にしようと思ってるよ。

ちなみに、8月1日も入場無料の、カルチャー的な要素の強い日にする予定。

大ホール、大・中・小スタジオ、アトリエ、ロビーなどあるから、普段受ける機会の少ない先生を招いてワークショップを開いたり、ダンスに関わるスタジオや学校、ショップ等のブースも設置したりする。

あと観覧無料のダンスショーケースのイベントも企画しているよ。
各スタジオや専門学校に直接声をかけさせてもらって、
そこからの生徒さんだったり、発表会のナンバーを出してもらったり、
横浜中心で活動しているチームだったり、
普段のイベントとはちょっと違ったニュアンスの
ショーケースイベントをやりたい。

お客さんは、いろんな学校やスタジオの生徒さんのダンスを見て、
いいなと思ったところがあれば、
会場の外にはブースがあるから
「じゃ、そのスタジオに行ってみようかな。」っていう連動になる。

なんてったって、入場料はタダだから。
友達誘って遊びに行くだけで損はない。
それをやろうと企画中だよ。

合間に、パネルディスカッションとかも予定してるよ。
例えば、ダンスに関わる仕事をしている人たちに来てもらって
今後のダンスについて、みたいなことを話してもらうとか。
本当にちっちゃくていいから、何か話せたらいいなって。


あとプロジェクターを使ってダンスに関わる映画、
もしくは映像を上映したり、
ダンサーのフリーマーケットをしたりとか。

支援物資や募金を募ったり、ダンサーに声かけて、
一人一品持って来てと頼んで提供してもらうとか
・・・ほとんど強制かもしれないけど (笑)。

TDM

でも、ダンサーの私物って結構売れるみたいだね。

HIRO

売れると思うよ。
というか生徒さんや応援してくれる人は、
先生や憧れてる人の物ってほしくなるよね。
しかも、普通のフリマと違くて、ダンサーが選んだものだから、
ツボをおさえたものが多かったり。
だから買う方も、見るだけでも楽しいんじゃないかなと思う。

とりあえず目標は100人。
100点のチャリティオークション。
スタッフはこっちが用意するし、
それも形になりそうで、おもしろそうだなって。

その日の会場全部の動きは、一枚にまとめて
フライヤーを作ろうと思ってるよ。

8月1日がみんなに興味を持ってもらうのが
一番大変だと思ってるから。
月曜日の平日だし、イベントも多い時期だからね。

8月4日のバトルも、たくさんの人に
声掛けてみんなを引っ張り出そうかなと (笑) 。

コレも参加費は無料だから、
夏休みだし、キッズ達もバトルに参加できたり、
保護者の方も一緒に観戦してもらえる良いチャンスになると思う。

ヒップホップ、ハウス、ロック、ポップ、ブレイク、
5ジャンル全部やっちゃおうって思ってる。

“エントリーも観覧もタダ、でも、賞金は出ます”
こんなのなかなかできる機会がないからね。

ダンサーHIRO。常に進化と斬新さを追求。  


TDM

この間のWRECKING CREW ORCHESTRAのイベントのGLASS HOPPERのショー良かったなぁ。 作りとか構成がおもしろかった。

HIRO

HIROあ、ほんと?あれ、短時間で創ったんだよね。 頭の部分だけ、少し変わった構成にしたんだけど、 もともとああいう従来のショーと違うのをやろうって言ってて。

ホントはもっと長いバージョンをやろうと思って、 今度のTHE ABSOLUTEでもそれに挑戦できたらと思ってる。

TDM

音に忠実で、音の持ってる質感を、絵に描いてる感じだよね。
渦がまかれるような音だったら、渦をまくようなルーティーンにして、
ハウスのステップというよりは、
そういう動きにして、立ち上がっていく、とか。
ああいうハウス、好きだねー。

HIRO

うんうん。そうそう。

TDM

ちょっとコンテンポラリーっぽい要素もあるよね。

HIRO

そうだね。たっちゃん(TATSUO) が好きだし。
俺もそういうのをやるの好きだから。


最近、「イェーイ」って出てきて、
ファイブ、シックス、セブン!
から踊るのに飽きちゃって。
「もうやだ、そうじゃないほうがいい」って思っちゃって。

TDM

それがフロアでもちゃんと絵をムーヴ゙で描けるのは、
スキルが伴ってるからだよね。あれはなかなかできない。
フロアがすごいハウスのショーっていう印象ではなかった。

良いよね。音ハメのハメ方というか、描き方を変えたというか。

HIRO

そうかもしれないね。
俺らだったからあれができるのかも。
そう見えないようにするのが好きだから。

ニューヨーク時代。確信的犯行の始まり。


TDM

ニューヨークに4年間住んでたよね。
その頃に描いてたモノと、
その後、東京に帰ってきてから描いたモノ、
そして、今はイベントを運営しながら描いているモノ、
大きく分けてこの3つの期間があったと思うんだけど、
まず、ニューヨーク時代で集中してきたことってなに??

HIRO

HIRO確信犯が必要だからね。

最近みんながやろうとしていることは確信犯じゃない。 つくるだけつくって結構丸投げだったりする。 企画を打てば打つほど無駄になってる気がする。

結局、ダメだった例が出てきたりして、 「アー、やっぱできないんだ。ダメじゃん。」 って、みんなの希望が薄れてることがあるんじゃないかな。

そうならないためにも、やっている人が 確信犯じゃなきゃダメなんだよ。

TDM

それはニューヨークに行ってた時期から そういう考えだったの?

HIRO

そうかもしれない。
ニューヨークに行って、ダンス上手になって、
いろんなことやれるようになって帰ってこようって思ってた。

TDM

それはどういうビジョンだったの?

HIRO

SOICHIROが先に東京に来てて、
友達や仲間はいっぱい増えたんだけど、
何か明確に活動は広がっていかない状況だったと思う。

それを聞いたり見たりして、同じ時間を使って、
同じ東京に上京するよりは、
どうせなら先に本場の人たちに出会って、ダンス学びたいと思って。
そのほうが本物に近いし、あまりみんな通ってない道かなって。
それは確信犯だったかな。

向こうに行けば、すごい人たちに会えると思ったし、
ダンスも生で見れる。
みんなが憧れたり、真似をしたりする本物を見て、
そこでなにかやれれば、きっと自分にしかない何かが生まれる気がして。

TDM

そこが軸にあったんだね。
そのときの具体的な頑張りは、技術的な向上?

HIRO

も、ありつつ。

でも、影響力かな。一番思ったのは。何事にも。

影響力があれば、形になるって
いろいろ経験する間に少しずつ思ってきて。

技術だけなら、日本にいても上手くなれるだろうし
情報も得られるけど、経験値や影響力的には、
みんなと一緒になっちゃう。

みんなよりもちょっと先に進んでたほうが、経験値も、
それを体験したからこそ伝えられる影響力も生まれる気がしていて。
そこをいつも意識してるかも。


よく勝ち負けとかに執着してるって思われがちだけど、
そこじゃない。

JUSTE DEBOUTにMEECHと出て、
優勝したのも、正直冒険だったけど、ある意味、確信犯。

優勝すれば、というか、そこで何かを残せば、みんなが注目する。
その分野のことについて、自分の意見を聞いてもらえるようになる。

でも、一回は優勝しとかないとね。
聞いてもらえないから。
目指してる奴はいっぱいいるから。

目指してる段階ではいっぱいいるけど、優勝するのは一人。
それって、説得力がある。

TDM

説得力をつけたい、と。

HIRO

HIROそうそう。だから、ダンスディライトも優勝するまでやり続けたし、 アライブも優勝するまでは機会があれば出ようと思っていたし。

全部いろんなところで、一通りやって、 負けの経験して、勝ちも経験して、 その中身を全部わかってるから、 「俺がやるんだったらこういうことをしたいんだけど」 って言うと、みんな聞いてくれる。 意見が具体的って言われる。

思い描いてるだけだと、 みんな思い描いてるから、一緒なの。

だから、それを実現したり、通り超えていくと、
もうちょっと具体的な意見になる。

その具体的な感じがあったほうが、影響力がある。
それを、一か八かじゃなくて、
はじめた段階で、ほぼ、もう確実に
影響力があるだろうってところを定めていく。

そうしていかないといけない。

世界にシフトチェンジ。言葉じゃなくてまず、行動。


TDM

ニューヨークの時代を振り返って総合的な印象は?

HIRO

静岡にいたときもさ、それなりに若かったけど、
自分たちのコミュニティを作ってそれぞれが成り立ってた。

けど、みんな、やっぱりどっかしら
外に出てかなきゃいけないって思ってて
まず、東京って先に出てくるんだけど、
俺はニューヨークに行くって決めた。
NOBも、SOICHIROも、俺も
みんなほとんど同じ時期に出て行くって決めて。

二十歳のときに、ニューヨークに行って、
憧れている人たちと一緒にやらせてもらえるようになった。

TDM

そのときは嬉しいよね〜?

HIRO

HIRO嬉しいは、嬉しいよね。 なんか、想いが実現した感がした。 アー良かったなって。

そうなったあとに、俺の場合は、すぐにシフトチェンジして、 ニューヨークに行ったのに、他の分野に行きたくなっちゃう。

だから、フランスの人たちがニューヨークに来たときに知り合いになって、 それのつながりによってY-kanjiっていうチームがあって Tamaki君の具合が悪かったときに、 一ヶ月間、俺が代わりに公演に出させてもらったんだよ。

それが10数年前。
ニューヨークに行ってから2年くらい経ったときだけど、
そのメンバーが、今JUSTE DEBOUTをやってるブルースだったり、
didie、rabahといった今向こうで大御所って呼ばれてる人たちだった。
あのとき彼らと一緒に踊ったつながりがあるから、今もつながってる。

それで、フランスとのコネクションができたし、
アジアも、香港とか韓国とかいろいろ行かせてもらって、
つながりができた。

そうやって違う国にシフトしてって、
ニューヨークでもやりつつ、違う国でもやりつつ。

でも、いつかは日本に帰りたいと思ってたから、
日本でもショーをたくさんやってた。

TDM

人種の違いで、 信頼関係を作る上で苦労したこととかはない?

HIRO

あるある。自分とは言葉の壁があるから、
そこはどうしてもむずかしかったけど。

でも、しゃべれないなりに、日本人は我が強くないから。
わかんなくても我慢することも得意だし
ただ黙々と練習するとか、
俺にはそれしかできないんだけど、
それをしてることで、向こうの人たちとは違うから、
マジメで、すごく練習するってところを重宝するって買ってくれてる。

ある意味、そういうバックボーンが違って、
言葉の壁はあるけど、逆にそれを行動で示してると、
向こうも良さをわかってくれるっていうところで、
「あー、言葉じゃなくて行動が先なんだな。」
って感じがした。それで頑張って行動してた。

けど、頑張ってたといえば、
日本に戻って来る時のためにも頑張ってたかも。

日本に来て、いろいろショーに出させてもらったり
ボビーとかトニーとか、ニューヨークの人たちと来るときも、
日本に来るきっかけはそれかもしれないけど、
でも、その合間にいっぱい当時のclub HEAVENとかに
日本の仲間とめちゃくちゃ出れるだけ出てたじゃん。

すんげーいっぱいやったし、コンテストも出て
PYRO、SUBARUと一緒に出て優勝したし、地方も回ったし、
もう、日本にいるんじゃないかってくらい出てたからね。

それも、ある意味、いつか日本に帰ってきて活動するために、
先に種をまいておこうっていうのがあったからね。

TDM

それから、日本に帰ってこようっていうきっかけは?

HIRO

ビザがちょうど下りなかったっていう理由もあるし、
自分でもそろそろいいかなっていうのもあったから。

TDM

もし、ビザが下りてたら、
ニューヨークを拠点に海外に行ってたかもしれないね。

HIRO

そうかもしれないね。
でも、そのときはタイミングもあるし、どうにもならないことがあった。

でも、もしそのままビザを取って、ニューヨークにいても、
何かしてたと思うけど、
もともと日本が好きで、東京で何かやりたかった。
東京には憧れてたから。

MAIN STREETに出れるくらいのダンサーになりたい”
ってずっと思ってたから。

東京での確信犯=ALMA結成。MISIAダンサー。


TDM

ニューヨークには4年かぁ。
それから、東京の生活が始まったんだね。
東京に来て今何年?

HIRO

ちょうど10年だ。

TDM

おめでとうございまーす(笑)。
でも、まだ10年って感じだね。

HIRO

そうなんだよね。意外と短い。ALMAは来年が10周年。

TDM

じゃ、東京に来てからの確信犯は何だったの?

HIRO

HIRO次は、日本でハウスをおもしろくしたいって思って、 いろいろかき混ぜて、価値も上げたかったし。

そのときROOTSも活動しなくなってて、 その時代を知ってる人はハウスの良さを知ってる。 でも、その下の世代にはあんまり伝わって無かったから、 あんまり強力ではなかったと思う。 それを強くしたかったから、 俺なんかでできるかわかんないけど、 具体的な説得力が欲しかった。

俺とPINOは一緒に何度もやってたけど、
もっと俺らがみんなに認めてもらったり、
踊り以外の部分でも説得力がある存在になりたいと思って、
それがあるのは・・・って考えたときに、KOJIさんだった。

ROOTSのリーダーだったKOJIさんが、
やっぱりHOUSEの第一人者だし、ダンスもずっと憧れてた。
だから、KOJIさんに話して、
KOJIさんに手伝ってもらって、HYROSSIさんも入ってもらって、
一緒に作っていこうってなった。
それで、ALMAを作った。

説得力のある先輩たちと、
今からこれから新しくやっていこうとしてる俺とPINOがくっついて
踊りが確実に変わってて、印象もまた違って
ハウスがみんなの目に届くっていう意味では
絶対にそれを想像してたから、今思うと確信犯だったかな。

TDM

東京でのニューヨークとまた違った苦労があった?

HIRO

そうだな。。。やっぱり、おんなじホームだし、
先輩が多いし、今までのハウスに接してた人たちもいるし、
そういう人たちにどうやって、自分が認めてもらえるかっていうのは
すごく結構深く考えてたかな。

TDM

ダンスだけじゃなくて、人間的にも?

HIRO

そうだね。

その中で、どういうポジションに身を置いていったらいいかとか。

まだ、若かったし、あんまり表に出すわけじゃなかったけど、
結構イケイケだったからね。

TDM

表に出すわけじゃなかったとしても、表に出てたよ(笑)。

HIRO

出てた?(笑)。
うん、だいぶイケイケだったね。ゴリゴリしてた(笑)。
それが踊りでイケイケな感じに出ちゃってたかもね。

TDM

それから、MISIAのバックダンサーもやったよね?
HIROからすると、そんなにバックダンサーっていうものは
惹かれるターゲットではなかったと思うけど、
そこにはROOTSが専属でやっているっていう面では、
経験としての目標になった?

HIRO

そうだね。やっぱり、MISIAの現場も、雰囲気も、
本人の方向性も、MISIA自体、確実に他のアーティストと違うじゃん。
そういう意味では、
人と違うっていう意味では興味があるし、 いいと思ってた。

ひょんなことで、STEZOさんとS.T.Oをやるようになって、
ステさんはMISIAをやってたから、
いつか自分にもチャンスがあったらいいなと思ってたけど、
なかなかチャンスがなかった。

  そんなときにMISIAダンサーズを決めるコンテストがあって、
とりあえず出てみて、そしたら優勝できて、
「あ、コレで仕事来るわ。」って思ってたら全然来なかった(笑)。

TDM

来なかったんだ(笑)。

HIRO

詐欺だーって思った (笑) 。
でも、そのときはまだハウスよりも
ヒップホップやポップ寄りのプロデュースだったみたいで。

でもそれからいろいろショーをやっていくうちに、
目に留まってもらえるようになって、
昔のハウスと印象が違うみたいってことが伝わって、
ちゃんとそれが通って、ハウスをやろうってことになった。

でも、そこからは、自分たちの実力で認めてもらうしかない。
ハウスのところを良くしなきゃいけないから。
メンバーとして新しく入って、1年目だけど、
やれることはやって頑張った。

TDM

MISIAの現場の印象は?

HIRO

HIROステージを作るっていう意味では、 いろんなことを考えて踊らなきゃいけない。

エンターテイメントだから、衣装もちゃんとあって、 普通に踊るだけとは違う要素がいっぱいある。

唯一良かったのは、振付師がいないこと。 ああいう現場にしては珍しく。

みんなが振付師だから、普段のショウタイムとか、
ダンスの知識を活かして、
それをMISIAのステージ用に変えていくっていうのは
他の現場では味わえない。

他の現場は、演出がいて、振付師がいて
そういう支持があってのことなんだけど、
MISIAの現場は、それがあるようでない。

こっちがプレゼンして、
提案しなきゃいけないっていうところが他とは違った。
大変だけど、おもしろいし、やりがいがあった。
みんなもそのつもりでやってた。

ダンス以外の分野の人、ことを起こしていく人たちと
たくさん関わって知り合いになれたのは、よかったね。

俺がMISIAの現場に携われるようになったのも
だんだんフェードインしていったんだけど、
最初は事務的な連絡のやり取りから始まって、
なんとなくダンス以外の部分でも仕事を頼まれたりして・・・
そこから信頼が生まれて、スタジオに関わったり
いろんな方面の仕事をするようになったかな。

オーガナイザーHIRO。影響力、重視。


TDM

それで、イベントもやるようになったんだね。 やろうと思ったきっかけは?

HIRO

例えば、ニューヨークでもEJOEとか、
ブライアン(Brian Green)がイベントやってたり、
今まではイベントに誘ってもらって、
ゲストとして呼ばれてダンスをするだけの立場だったけど、
なんかそれも、出ながら
「なんかおかしいんじゃない。なんか違うんじゃないか」
って思うことが多くなってきて。

でも、みんな不満は言うんだけど、
何が変わるわけでもなく、ずっと同じ生活を続けていってる。
俺らも年を取ってきて、
あと何年踊れるかわかんないってなったときに、
大きくなくていいから、自分が思う理想のダンスの環境を
周りの人たちと一緒に作っていかなきゃいけないんじゃないかなって思うようになった。

それがまた他と違うのは、
オーガナイザーっていう目で見て
オーガナイズするのではなくて、
現場のダンサーだけどオーガナイズもして、
ダンサー目線、立場が強いダンスイベントがあったら
いいんじゃないかなって思って、
ためしにやってみようって感じで
RAISE UPっていう月イチのイベントをはじめるようになった。

あとは、やっぱり、俺があこがれて、
ずっと頑張るきっかけになってた
MAIN STREETがすごくかっこよくて、
でも、今そのMAIN STREET自体がない、
でも、みんなああいう趣旨のイベントが欲しいと思っている。

規模の大きいイベントはたくさん増えたけど、
でも、もっとシンプルでダンスのみで勝負する
イベントが少ないと思ったから、
RAISE UPの延長でTHE ABSOLUTEを、
MAIN STREETの代わりじゃないけど、
それに位置づけられるものにできないかなと思って、
はじめてみたというかやってみた。

TDM

THE ABSOLUTEの根本にあるコンセプトは?

HIRO

やっぱり、関東を中心に活動していて、
自分が見て、先輩後輩、あんまり関係なく、
説得力があって、この人たちの踊りはいいって純粋に言える。

理屈・屁理屈じゃなくて、
見ていいって思えるものがある人たちを誘いたい。
そんなイベントになること。

しかも、一番の基準は、お客さんはもちろんなんだけど、
出る人たち同士が、昔のイベントみたいに、
「このチームどんなことやるんだろう!?」って気になるような、
出番以外に見たいと思えるようなイベントがいい。

ゲストとしていろんなところに呼んでもらったりとか、
イベントで活動することはあるんだけど、
ちょっと仕事感覚というか、ルーティンワーク的になっていて、
自分たちの出番にプロとして集中したいから、
いろいろ準備とかするんだけど、
でも、それをさらにおいといてでも、
見ないといけないと思えるような。

だから、ゲストの人たち同士のモチベーションが上がるような
イベントにしたい。それを、そう思わせるようなチーム、
メンバーを選んだっていうのが基本的な基準かな。

TDM

各ジャンル5チームずつくらい選んでるよね。

HIRO

HIRO俺的にはそこが重要で、どのジャンルも必ず必要。 昔のMAIN STREETも、ROCK STEADY CREWが出てたり、 FLOOR MASTERSが出ていて、すごくかっこいいと思った。

今の若い子たちは、自分の好きなジャンル以外って 普段なかなか目にすることがないというか、 注目してみることがあまりない世代だと思う。

それを、このイベントの中で 「こういうのもある。こういう人たちかっこいい」 って提案してもらって、それが一度に見れる場をもらえるのは、 影響力があるというか、逆に新たな発見があると思う。

そういう意味では、最近イベント多いけど、
活動する場所が細分化されすぎて、
ここがホーム、ここが中心っていう色が付いてきちゃって、
いっぺんにそういうものを並んで見れる機会がない。
そういうのを取っ払って見れるっていうものが欲しかった。

でも、それができるのって、
ダンサー目線の人がオーガナイズできたり、
ダンサーが中心にオーガナイズするから
できるんじゃないかなって思った。

それで、THE ABSOLUTEにも
ブレイキンのチームも出て欲しかったし、
ハウス、ロック、ポップの人とか
いろんなジャンルの人にも出て欲しい。

逆にそれを、違うジャンルの人に見てもらって、
そこでいろんなことに気づいてほしい。

良く言うと、他のよさを知ってほしい。
きつく言うと、自分たちがぬるいのに気づいてほしい。

ストイックにやってるジャンルの人たちとか、
見せ方だけじゃなくて、
身体能力とか、すべての部分において
努力してる人たちのショウを、
見せ方重視でこだわってる人たちに見てもらいたい。

その逆もある。
そっちばっかりにより過ぎて、
見せ方にこだわれてない人たちには、
見せ方を勉強してほしい。

そういう、お互いの相乗効果。
お互いの、意識の向上、見たいな。

TDM

今回のTHE ABSOLUTEを開催する日時を
世界のダンスイベントとかぶらないようにずらしたんだよね。

HIRO

そうそう。中国のKODというイベントがあって、
そこに日本のダンサーが
ゲストバトラーとして呼ばれてるから、
俺の頭の中に描いていたチームのほとんどが
それに行ってしまうということで、
すっからかんになってしまうがために、
日程を変えたんだけど。

でも、俺の中では、そこが絶対条件で、
そのメンバーの一人ひとりの影響力がすごいと思うから。
それがないと、無理やりにやっても意味がないと思っていたから、
どうしてもずらさなきゃいけなかった。

でも、今はそうやって世界に注目できるイベントがあって、
日本人がいろんなところにいける機会があるから、
今後はイベントのブッキングを、
海外のイベントのこともを気にしてやらなくちゃいけない。

都内だけじゃなくて、大阪のこと、
他の国のことを気にしなくちゃいけない。
すごく大変なブッキングなんだけど、
それくらい全部に影響力があってほしいから、それでいいと思う。

海外のいいところ。日本に足りないところ。 


TDM

HIROが注目している世界のイベントはどんなイベント?

HIRO

HIRO例えば、バトルイベントだと、すごくいっぱいあるんだけど、 そこの国がオーガナイズしているのは関わらず、 各国のダンサーが集まってくる。特にヨーロッパが多いかな。 アメリカでも最近そういうイベントをやり始めたし。

ただ、日本人は日本人だけになってしまうから、フレッシュさがない。 そういう意味では、海外のほうがフレッシュさが強い。

フランスのJUST DEBOUTとかWHO is WHOとか、 ドイツのFUNKIN STYLEとか、ロシアのBATTLE ZONEとか。 いろんなところでバトルが勃発してる。 大きくなってるところは、
ちゃんとエンターテイメントにもなって、集客もできている。

賛否両論あって、それだけに偏るのはダメだけど、
でもいろんなこと文化交流の場所にもなっているのがいいところだし、
ほとんど毎月のようにやってるし、
ヨーロッパのシーンが刺激しあって向上していくための場になっている。


あとは、今度俺たちも行く
チェコのSDK(ストリートダンスキャンプ)とか、
ロシアのDANCEVILLEとかは、
サマーキャンプで、海外ならではの、
野外やリゾートを使って、
ダンスの合宿をするんだけど、ワークショップや、
生徒と先生もレクレーションして遊びながら、
イベントをしたり、ダンスの話をしながら、
みんなが一致団結するあの感じがいい。

みんな純粋に「ダンスしにきてます」っていう、
趣旨で成り立ってるところがすごくいい部分だね。

そこに尽きるかな。
いろんな人に会えるから、
俺もいろんなイベントに行ってるし、
呼ばれなくても実費で行くこともあるから。
一種の情報交換の場として。
そこで、また新しい目標とか刺激をもらえるから。
日本のダンサーもそうなって欲しい。

俺が何で海外に注目してるかっていうと、
バトルにしても、コンテストにしても、イベントにしても、
これだけいろんな国でたくさんやれてるっていうことは、
毎回人を集めなきゃいけない。

でも、それには、すごく明確なコンセプトが
必要っていうのをみんながわかってるということ。
「このバトルはこれに特化してる」っていう
コンセプトがはっきりしてる。

日本のイベントって、全部似たり寄ったりで、
コンセプトがあまり明確じゃないのが多い。

それが複雑じゃなくて、単純でいいんだけど、
そのコンセプトがしっかりしていて、
そのコンセプトに特化してるイベントっていうのが
これから増えていかないといけないと思う。

TDM

海外でおもしろいコンセプトの例はある?

HIRO

例えば、バトルイベントなんだけど、
エキシビションみたいなバトルで、
出るダンサーがプロのダンサーで、
違うジャンルの人同士が1対1で
それぞれの持ってきた曲で一回ずつ踊る。

それを審査するのは、
その日に呼ばれたゲストバトラー全員。
お客さんはそれを見てる。

でも、それって、ある意味エンターテイメントというか、
違った形のショーのコンセプトだと思う。

クルーバトル、ソロバトルって
バトルにしてもいろんな基準があるし、
趣旨が他と違ったり、選曲にこだわったりとか、
ちょっとしたことなんだけどね。

キャンプみたいに、環境にこだわったりとかね。
ダンスするには最適な場所ではないけれど、
開放感があるとか、地域と密接に関わってるとか。

オランダのThe Notorious IBEっていう
ブレイクとかオールドスクールのイベントは、
町ぐるみというか、町自体が協力してやってるわけ。

昔のBOTY(バトルオブザイヤー)もそうだったよね。
ドイツの町が協力していろんな会場でやってた。

そういう行政を踏まえて
一緒にやったりだとか、そういう特色がすごく強い。

日本は単体で、スタジオ主体だったり、
複合にして大きくしたり、小さかったら小さいで、
ショーケースを並べるだけ。

そうじゃなくて、一回一回に対して
もうちょっと具体的なコンセプトがあっても
いいんじゃないかなって。

それがはっきりしてきたら、
それが好きな人たちが集まってくる。

そういう風に、これからなっていかざるを得ない。
いくべきだと思うから。
俺がやってることもそういう風にしたい。

何か、新しい仕掛けじゃないけど、
常に新しいことを考えて、
ダンスやショータイムを作っていくのと同じように
、 自分が活動する場所も
行く場所も新しくしていきたい。
刺激が欲しいから。

そういうのを、俺らの年代になったら、
逆に提案していって、いろんな人たちに
「こういうのはどうですか?」って掲示していく。
そういう役目をちょっと負いたいのはある。

複雑じゃなくていいんだけど、
そういうのをみんなでちょっとずつ考えていけばいいのかなって。

今のシーンも、悪い言い方をすれば、
ちょっとマンネリ化してる気がするしね。
そこを、みんなで変えていく。

誰か1人で変えていくのは無理だから、
みんなで意識を高めて、変えていければいいかなと思う。

未来のための種まき。一致団結できるシーンに。


TDM

さっきからキーワードになってる確信犯。 これから未来にかけてのHIROの確信犯でやろうとしてることは?

HIRO

HIROきっと無理かもしれないんだけど、 大きく出なくても、まずまずコツコツとで考えると、 東京・関東のダンスをしている、 自分が共感できる人たちを、まとめたい。

もちろん生活があるから それぞれが別々のフィールドで活動してるけど、 何かいっこのことがあるときに、 「これやったほうがいいよね。やろうよ!」って言える 一致団結できるような何かを、漠然としてるんだけど、作りたい。

規模が大きいイベントじゃなくて、
それの趣旨とか意味が重要で、
それに対して、みんながいろんな障害があるにしても、
障害をそのときだけはずして、
みんなでいっこ、何かやろうよっていうものが、
新しくムーブメントになってくれればいいなって。

それが今は次の目標かな。
そのきっかけの種まきがTHE ABSOLUTEなんだとおもってる。

TDM

RAISE UPもそういう交流を身近なものにしていて、THE ABSOLUTEはそれを発表していくスタンスになっているよね。

HIRO

うん。だから、次は、バトルなのか、何かわからないけど、
既存のコンテンツはいっぱいあるし、
すでにやってくれている人たちがいっぱいいて、
自分たちは協力したり、その場を借りて
いろいろできることはあるんだけど、
また違ったコンセプトで、
俺が思う「これが一番ベストなんじゃないか」って思う形で
できるイベントを増やしていきたい。

そのイベントが、今までと同じように、
俺じゃなくてもできるようなイベントだったらあまりやりたくない。

俺たちだからできる。
それが実現できるものに特化していきたい。
その種まきをたくさんしている感じだね。
いつかはそれができればいいし、
そのときはみんなに協力してもらわないといけないんだけど。

今年はそのきっかけにTHE ABSOLUTEや
JUSTE DEBOUTの日本予選もそうだし、
ちょっとずつその種まきをやってるんだよね。

全部が全部、少なくともそこに近づけられるように努力する。
どのジャンルの人も、どの分野の人にも
おもしろいと思ってもらえるようなことをやる。新しいことをやる。

HIRO的ダンサー活力発生方法。 


TDM

では、若い世代に向けて、メッセージを。

HIRO

自分たちがダンスをするフィールドとか、
ダンスができる環境は整ってるし、
上の人たちもたくさんいて、
ダンスを観る環境は実はいっぱい整っていて、
何も不自由ないと思う。

でも、唯一足りないのは、
そういう先輩たちが何を考えているかとか、
どういう知識があるとか、どういう経験をしてるとか、
それをお互いに知る環境あまりがなくて、
逆に若い世代もあまり興味がなかったり
知りたいっていう気持ちが強くないところが
昔と違うかなって気がする。
そういう技術以外の気持ちや
知識の部分を何かの形で学んで欲しいって思う。

だから、今度のKAATの企画でもあるけど、
“親父の小言会”をやりたいんだよね。

パネルディスカッションとか馴染みがないし、
真面目すぎるイメージだし、
面倒くさそうに聞こえるんだけど、実は必要で、
ホントはプライベートで持てれば、
そんな場を持たなくてもいいかもしれないんだけど。

今プライベートで持てる場があまりないから、
そういう形で企画して、逆にこっちが提案する。

聞きたくない人は聞かなくてもいいし、
でも、聞きたい人もいるはずなの。
聞きたい人にチャンスを与えるっていう新しい活動。

それも、最初は小さくていんだけど、
いつかは大きくならないと意味がないと思う。
そこだけでやるんじゃなくて。

そういうことができるフィールド、
それがイベントなのかわからないけど、
カルチャー的な、マジメな感じに聞こえるけど
その受け渡しの形を俺達も考えるし、
若い子たちも、それを大事だと思ってくれる意識。

ダンスのレベルが低くなってるっていうことよりも、
メンタル、マインドっていうか、
中身の部分が日本は弱くなってる気がする。
そこを立て直せば、世界にももっと通用すると思う。

でも、他の国に比べたら弱くなってるっていう現状を
俺が見てて思う。

TDM

ダンスの活力みたいなものが?

HIRO

ダンスは練習すれば上手くなるけど、
上手くなったダンスを人に伝わるように踊るには
その人の中身が育ってるかどうかが一番大事だから。
そこを考えると、日本人は弱くなってる気がする。

海外を見ているみんなも、薄々気づいてると思う。

俺は、怒るつもりも、不満に思ってるつもりもないんだけど。
それは俺たちの責任でもあるし、若い子たちの責任でもあるから。

でも、それを向上させなきゃいけないってわかってるのに、
そこに関して誰も動けてない気がする。

そういうのも、新しい確信犯で
「なんか植えつけてやる。なんか変えてやる。」って
そういうところに目を向けて、
それぞれのダンサーとして、
ダンスに関わる人としてのメンタルの部分を
もっと根本的に変えていけるような何かきっかけを与えたいし、
あったらキャッチして欲しいと思う。

そういうところにちゃんと出てきて、
いいか悪いかを見てみたり、聞いてみたり、判断して欲しい。
それをしないとわかんない。それをしてほしい。

TDM

与えられるだけではなく、
それを感じて発信していく姿勢を持って欲しいね。
今は昔と比べると、ゲストダンサーになるのは
難しいのかもしれないしね。

HIRO

HIRO上がいるからね。 でも、俺の時代もそうだったよ。

HEAVENに出まくってた時代はさ、毎回毎回やって、 見てもらって、2部から3部に位が上がりましたっていうのが 上に上がっていく感じがあってほしいけど、 そういう登竜門的なイベントもない。

みんなの意識が、人を呼んで、
イベントを盛り上げようっていう意識があんまりなかったりする。

それはもったいないから、もしかしたら、
THE ABSOLUTEの代わりに、
昔のSMOKIN GARAGEとか、AOYAMA NIGHTみたいな、
もっと若手しか出ないようなイベントもやろうかなって話してて。

その子たちの中で、トリのゲストになった子たちは、
ゆくゆくは上のイベントに出れるようになったりすると
なんとなく目標ができるじゃん。

コンテストじゃないけど、ファンが増えて、人気が出て、
いいショーができて、それがもういっこ位が上がる、みたいな。


今のピックアップダンサーっていう位置づけから、
ゲストダンサーになる線引きがすごく微妙。
ピックアップになるまでも、1部でやってなきゃいけないけど、
それはそこのオーガナイザーしか見ないからね。
全体に見られるっていうのがあったほうがいいから。

その登竜門的なイベントがないから。
今まで上手く回ってたはずなのに、
それぞれの位置づけ、意味が、役目があったイベントが
なくなっていっちゃって、
ひとつのイベントで全部をまかなおうと乱雑になってる。
だから、先に言ったコンセプトを明確にしなきゃいけない。
それぞれ、一個でいい。

だから、学生が、学生限定イベントとかをはじめちゃうんだよ。
それがなくて、行き場がないから。
でも、行き場を作ってあげれば、
その子たちは自然と集まってくるだろうし、
その子たちだけでイベントが成り立つようになれば、
人を呼ぶっていう意識が生まれる。

1部に出るんだけど、何のために1部に出るのか。
ただ、知らない人たちに見てもらうだけじゃなくて、
他の分野で盛り上げて、自分たちも盛り立ててもらって
よく見えるようにして、2部に出られるようにしたい、とか。
そういう欲になってくれればいいから。

それをやれるイベントを作ったほうが、これからはいい気がする。
逆にそういう面白みがないと集客にもならない。

いつも一緒だからいってもいかなくてもいいや、
今日眠いからいいや、ってなっちゃう。

眠いからいいやって言わせない感じが欲しいね。
そういうイベントをたくさん考えてるから、
隙間でいろいろできそうな気がする。

それをCLUB CITTA'とか
ちゃんと見やすいステージのあるところでやって、
ちゃんとステージ栄えするかどうか。
クラブの小さいところ近くじゃなくて、
引いた目で見てもいいかどうか、昔はそういうのがあったから。

温故知新じゃないけど、一回なくなっちゃったから、また戻す。
ソロショーとかも始まったけど、みんな同じでつまんない。
そこにいっこコンセプトがあったほうがいい。

それもオーガナイザーの人たちも、
もっと観る人たちの気分になって、もっとフレッシュな
「これを見に来たほうがおもしろい」
って思えるものがないから、マンネリ化してる。

毎回、ルーティンワーク。
ブッキングして、やって、また今月もこれで終わりました、ハイ次。
そういうのはおもしろくないから。

TDM

HIROの中で、いろいろ感じるおもしろくしたほうがいいこととか、
つまらないことを回避するための案とか、
自分が体感したことを入れて言ってるんだろうね。
それが入るから、そういうものが、
企画者っていうところに移行させてるんだろうね。

HIRO

そういういろんなアイデアは
東京だけじゃなくて、世界中の人達を見てるから沸くんだろうね。
たぶん、東京にいたら気づかないと思う。

別にいいんだもん。
何にも居心地悪くないし、何の苦労もない。
お金ももらえるし、お酒も飲めるし、何の不自由もない。

だけど、でもね、「なんか違うんじゃないかな」って思いながら
みんなやってるから「なんかな?」って思うんだったら
変えてみればいいんだよ。
みんな思ってるだけで止まってるから。

「違うんだけど、めんどくさいからいっか。ま、いいや。」
ってなってる。でも、それを変えればいいと思う。

そういうわけで、俺も、頑張ります。

TDM

そうだね。とりあえず、夏のKAATイベント、頑張りましょう。今日はありがとう。
'11/06/24 UPDATE
interview by AKIKO
photo by imu
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