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Brian Green / DANCE FUSION 〜Let's have a ball.〜
Brian Green / DANCE FUSION 〜Let's have a ball.〜
ダンスシーンにおける最重要人物たち・Brian GreenとDANCE FUSIONが3月29日に開催されるバトルイベント「WORLD DANCE COLOSSEUM FINAL」(WDC) のゲスト&ジャッジとして来日する。ここ10数年のダンスシーンの変遷を、最も核なるポジションから見つめ、いつの時代もその先・その根幹にある精神を“楽しむ”心で一貫してきた彼らに行ったインタビュー。説得力ある言葉をご堪能あれ。


Brian GreenBrian Green

タップ、ジャズ、バレエ、モダン、アフリカンなどのダンススタイルを器用に踊りこなす、ハウスのワークショップを始めた先駆者。ジャンルにとらわれないオリジナルのリズム感、ユーニークはフットワークの凄さは見る人を驚かせ、世界的に知られた、ダンサー界でGOD的な存在。彼のファンク、ヒップホップ、ハウスのワークショップは、ニューヨークだけでなく世界的に人気がある。今回WORLD DANCE COLOSEUMのジャッジとして来日。 Fergie, MARIAH CAREY,MYA, Foxy Brown, Missy Elliot, Salt'n Pepa, Busta Ryhmes, Babara Tucker, EVE, MAW(Master of Work)などのコレオグラファーやダンサーとして活動し、2001年には、BEST ヒップ-ホップ CHOREOGRAPH賞(ACA AWRADS)を受賞

◆DANCE FUSIONとは…

1997年にCaleaf, Tony sekou, Justiceの3人で結成されたニューヨークでは絶大な人気を誇るダンスチーム。オリジナルメンバーは、Caleaf, Shan.S, Tony Sekou, MIKEU4RIA, Tony Magregor, Shar, そして、唯一女性ダンサーMarjoryの7人で構成されている。彼らはこれまでのハウスダンスシーンに影響を与え、たくさんのヒストリーを作り上げてきた真 の大御所ダンサーである。

今回、彼らの行うワークショップ“MUSIC THEORY”では、全ダンサーに共通する音楽理念が詰まった内容が体感できる構成になっており、既に予約が殺到。3月29日WDCでのパフォーマンスにも日本中のダンサーから期待が高まっている。
※現在シャーはニューヨークに住んでいないため、インタビューをしていません。
[WS]Brian&DANCE FUSION来日。「MUSIC THEORY one day WORKSHOP」

MIKEU4RIA.21.4.18.9.1MIKEU4RIA.21.4.18.9.1

“DANCE FUSION”のオリジナルメンバー。日本のダンスコンテストの審査員や、独特なダンスレッスンにも積極的に力を注いでいる。彼のスタイルはパワフル、かつ繊細で、ダイナミックな要素を彼の独自のアーティスティックな感性で、音を体で表現していくところ。スムースなムーヴは、ダンスで音を聞いているような気持ちにさせる。Will Smith “Men in Black”PV 出演。NYでは、ダンスカンパニーTHE MOVEMENT FOUNDATIONを立ち上げ、独自のダンス観を表現し、若手の育成にも力を注ぐ。また、彼のデザインするS.T.O.R CLOTHINGのファンも日本に少なくない。 http://www.themovementfoundation.com/
http://www.storclothing.com/


SHAN.SSHAN.S

“DANCE FUSION”のメンバーとして絶大な人気を誇るハウスダンスのオリジネーター。同時にNUBIAN SOUL Producer であり、ブレイキン、ハウス、ヒップホップを織り交ぜたフリースタイル。安室奈美恵、TRFなど数多くのアーティストのバックダンサーとして、また、プレイステーションソフト『BUSTA DA MOVE』に参加。最近ではバトルイベントTHE GAMEで優勝。現在はニューヨークを拠点に、アジア方面またヨーロッパ方面でも活動中。彼のフットワークと、フロアワークのパワーを交互に見せる彼のスタイルは見逃せない。

Tony SekouTony Sekou

“DANCE FUSION”のメンバー。日本では“トニー”の呼び名で知られている。カポエラのインストラクターでもあり、いち早く、ハウスのダンススタイルにカポエラの要素を融合させたかれのムーブは芸術的で、スピリチュアルな雰囲気が漂うスタイルで人気。ZOO PV出演、モデルのとしても活躍。Will Smith“MEN in Black”、Mariah Carey PV出演。しばらくダンスと離れていたが、今回DANCE FUSIONとして来日、久しぶりの彼のダンスを楽しみにしているファンも多いだろう。

CALEAFCALEAF

DANCE FUSION創始メンバーであり、MOP TOP DANCERSのメンバーでもある彼は親日家として日本のクラブで見かけたことのあるダンサーも多いはず。長身を生かしたうねりの効いたグルーブを武器とした、ステップの軽快さと重厚さを兼ね備えた表現力に影響を受けたハウスダンサーは世界に数知れない。Mariah Caery、Crystal Waters、Heavy D、Will Smith、Diana RossなどのPV、ツアー振付等。

MarjoryMarjory

DANCE FUSION唯一の女性ダンサー。4歳から踊り始め、単なる女性らしさではなく、母なる大地のような暖かいバイブスに誰もが魅了されてしまう。今回の来日ではワークショップを行わないのが残念だが、ニューヨークダンスシーンの第一線でライフスタイルとしてのダンスを実証し続ける彼女の一語一句に注目したい。

“MUSIC THEORY”=音楽を楽しむ。

TDM

まず、TDM初登場ということで、簡単に自己紹介として、過去と現在、将来像などについてお話いただけますか。

Brian Green

GOD BLESS EVERYONE!ブライアン・グリーンです。日本の皆さん久しぶり、元気ですか?今回の来日は本当に久しぶりで楽しみにしてるよ。

自己紹介ね。ダンスをどれだけやってきたか?それを聞かれると本当に長すぎて、どれくらいなのかな〜 (笑) 。

1990年代の頃から積極的にダンサーとしての仕事を始めるようになったと思うけど、それ以前からいろんなジャンルのダンスを学んできたね。

ヒップホップ、ブレイキン、ウェービング、ポップ、ブーガルー、ウェストアフリカン、バレエ、サルサ、チャチャ、カッシーノ・・・本当にジャンルにとらわれず、何でもやってきたね。

ウェービング、ポップ、ブーガルーは兄弟から。サルサ、ウェストアフリアカン、サルサ、チャチャ、カッシーノは母から学んだりもしたんだ。

1980年代後半からコレオグラフをやりはじめて、日本から、ZOOが来たりして日本人にもダンスを教えることになったんだ。日本の初の仕事はZOOだったと思う。

1992年位から積極的にダンスを教えるようになったかな。特にヒップホップ、ハウスに力を入れるようになって、いろんなテクニックを積極的にみんなに教えるようになった。

現在は、ニューヨークだけでなく、本当に様々な国で、ダンスを教えるようになってる。ワークショップだけでなく、もちろんショーもやるし、大学などでも講師として教えたりているよ。それからニューヨークでは、DANCE CONFFERENCEというイベントをやったり、いろいろなことをクリエイトし続けているよ。

DANCE CONFFERENCE:
現在毎月第1木曜日開催の、ブライアンがホストを務めるダンスイベント。様々なショーやバトル、また、シャンがDJでプレイすることも。


そして、今はマイク構想のコンセプト“MUSIC THEORY”の活動に力を入れている。ダンスを楽しむという上で、音楽はすごく重要で、なくてはならないものだと思う。その音楽を聞くことを楽しみ、さらに、ダンスを楽しむという意味が込められたコンセプトになってるんだ。これに賛同して僕もこのコンセプトで、ダンスを広げたいと考えているよ。

TDM

現在のNY,世界のハウスダンスの動向についての何か意見があれば教えてください。

Brian Green

僕の中では、ダンスをする上で人種は関係なくて、誰でもダンスは楽しめるものだと思うから、それが自分なりにできたら、それで良いと思うよ。

NYのハウスの動向・・・。うん、いい感じじゃないかな。みんなダンスを楽しんでいるなと感じてるよ。でも、ダンスには音楽の要素が大事な要素になると思うから、もっともっと、そういう意味でダンスを楽しんでほしいと思っている。音を聞いてほしいね。

TDM

最近、バトルの大会を多くなってきていて、ダンスの流れが変わってきているように思いますが、どういうふうに感じていますか?

Brian Green

バトルね〜。僕も昔は本当にバトルしてたね〜。10年くらいそういう時期があったかな。

バトルは競い合うものものではなく、シェアするもの。でも、心の底では「今日はあいつに負けた〜」とかあるかもしれない。でも、それは、お互いのダンスをするエネルギーになるね、「もっともっと良いムーブを見せたい!」みたいな。

でも、ダンスはスキルも大切かもしれないけど、ダンスや音を楽しむことの方がもっと大事だと思う。音楽を聞き分けて自分なりの動きをしているのを見ると、ダンス!してると思う。それがナイスだね。

TDM

今回の来日する目的を簡単に教えてください。

Brian Green

久しぶりの日本楽しみだよ。今回はまず、3月29日に行われるWDCのジャッジとして呼ばれたために行くよ。

ジャッジ、バトラーを含め、たくさんのすごいダンサーを集まる。僕自身もたくさんのダンサーに会えることを楽しみにしている。ダンスの祭典になると思うよ。すごく大きい大会だから、みんな熱戦が繰り広げられるだろうね。

WDCの大会後はマイクのコンセプト“MUSIC THEORY”のワークショップをやるよ。今回のワークショップは僕にとって初めてで、楽しいワークショップになると思う。自分もワクワクしてる。みんながどんな反応になるか楽しみだよ。1回ニューヨークでもやったけど、ナイスだったと思うよ。広島、名古屋、九州のみんなにも会いにいくよ〜。

TDM

では、日本のダンサーに対してメッセージをお願いします!

Brian Green

日本の皆さん、GOD BLESS!!!! 僕は、とにかくダンスを楽しんでいこう!とみんなに言いたい。あなたがダンスを愛して、これをやりたいと思ったら、それをダンスで表現していってほしい。そして、他の誰かがまた同じように思ってダンスを愛していて、お互いがその気持ちでいたら、最高だよ。是非自分のダンスを愛して楽しんでもらいたい。

また、若い世代ではなく、上の世代のダンサーたちに言いたい。若い世代のダンサーは君たちから何かを得ようと常に注目している。彼らは君たちのショーをみて、ワークショップを受けて、DVDを見て、それを真似していく。そうやってダンスは受け継がれていく。それが何を意味するのか考えてほしい。そして成長していく。とにかく、ダンスを愛していこう。

結成から12年。レジェンドたちが再び動き出す。

TDM

ありがとうございました!では、続いてDANCE FUSIONのメンバーに移りましょう。では、自己紹介からお願いします。

Caleaf

日本のみんな、カリーフです。僕は1989年から、プロダンサーとして活動するようになったよ。ダンスを始めたのは3歳位からかな。ママがダンスや音楽が好きで、ダンスの楽しさを教わった。

1997年にDANCE FUSIONを結成して、最初は僕と、ジャスティス、この後登場するトニーセイクーから始まったんだ。そしてすぐにシャンも仲間になったよ。

DANCE FUSIONとしてショーをやった場所にマージョリーが遊びきていて、さらにトニーマクレガー、マイクやシャーも出会って友達になった。いつもみんなクラブにいたよ。こうやって集まれるなら、一緒に何かやろうよと言って、練習するようになったり、ショーをやるようになったのがDANCE FUSIONとして始めたきっかけかな。友達から「Fazilで練習してみない?」という誘いがあって、そこでよく練習してたね。

Justice (ジャスティス):
DANCE FUSION結成のオリジナルメンバー、現在はDANCE FUSIONとしての活動を休止中。音楽活動をしている。


Fazil:
長年、DANCE FUSIONのみんなに愛され続けていたダンススタジオ。メンバー全てがここで練習をしたり、ワークショップをやったり、ダンサーの溜まり場的スタジオ。ここに行けば、誰かに会える!?というくらい、頻繁にみんなが利用していた。残念ながら、現在はFazilはなくなっている。(Piece of New York参照。)


Shan.S

Hello!シャンです。ニホンノミンナゲンキニシテイルカナ?

正式にはShan Selby。ブルックリン生まれのブルックリン育ち。僕のダンスヒストリーは80年代後半〜90年代前半、B-BOY、ブレイキンから始まったんだ。それからヒップホップをやって、ハウスをやるようになった。ハウスを始めたのは確か、1996年くらいだったと思う。

僕のダンスのルーツは、兄から始まっていて、ダンスの楽しさやディスコシーンも教わったかな。兄もまだ踊っているし、一緒に踊りにいったりするよ。カポエラやタップも少し学んだこともあったかな。

また、DJすることも大好きで、力を入れている。自分の作った音を提供することもあるし、ビデオの自己作成もしているから、いろいろ楽しんでいるよ。

現在はアジア周辺での活動が多く、台湾、韓国、中国、日本でワークショップ、ショーケース、コレオグラフやDJをやっているよ。

MIKEU4RIA

Hi Japanese dancers, マイクです。僕は17歳からヒップホップを始めてハウスをやるようになったよ。

最初は遊びでダンスをやっていたけど、次第にダンスに対して真剣に考えるようなったかな。僕のダンスは音楽が大好きなところから始まっているので、音楽の勉強も自分なりにしてきたし、今も続けている。特にジャズが好きで、ジャズの勉強をしたよ。

あと、僕はTMF (THE MOVEMENT FOUNDATION) を立ち上げ、アーティストディレクターをやっていて、TMFのオリジナルショーケースや、ワークショップをやったりしてる。日本でも何回かやったよ。それと、「S.T.O.R CLOTHING」というブランドも立ち上げて、オリジナルデザインの洋服も作っているから、今回の来日でも多くの人の目にとまることを願っている。ダンサーだけでなくいろんな人に着てもらいたいな。

2008年11月からブルックリンで、GROOVE HOUSEというパーティーを毎月第1土曜日に仲間3人で始めたんだ。ローカルな場所だけど、4回やって少しずつみんなにも知られるようになってきたと思う。ダンサーだけではなく、音が好きな人たちに音を楽しんでもらいたいというコンセプトを大事にしているよ。

僕は自分のアイデアをクリエイとしていくことにとても興味があるから、将来的には、いろんな人を自分のコンセプトに巻き込んで、いろんな人と音楽を通して、ダンスを通して関わっていきたいと考えている。

DANCE FUSIONは僕にとって大切な存在だし、みんなをリスペクトしているから、これからも一緒に活動していきたいと思っているよ。「S.T.O.R CLOTHING」は今回日本でも販売する予定だし、オリジナルのビデオやなどもチェックしてほしいな。詳しくはサイトをチェックしてみてね。

Marjory

Hi, マージョリーよ。

「自分は何?」と聞かれたら、間違いなく“アーティスト”だと言えると思う。もちろんダンサーとしても。

ダンスは私にとってカルチャーの一部なの。最初にママからバレエを教わって、4歳ぐらいのときには既にたくさん踊っていたわ。いろいろなダンスの動きを覚えたの。私はヒップホップジェネレーションだから、ヒップホップもやっていたけど、アフリカン、サルサ、メレンゲ、バチャータ、サンバ・・・本当にたくさんのダンスを知っているの。

DANCE FUSIONのメンバーとして活動が始まって、私はメンバーからたくさんのことを学んでいるわ。みんな本当に輝かしいメンバーばかりだもの。

Tony Sekou

日本の皆さんセイクーです。僕を知っている皆さんにとっては、僕をトニーで覚えてくれている人が多いと思うけど、今ニューヨークでは僕のことをみんなセイクーと呼ぶよ。

今回WDCで、久しぶりに日本に行く機会ができたことをとても感謝してる。数年の間、ダンスから少し離れていたけど、少しずつトレーニングを積んで、今はワークショプやショーケースをDANCE FUSIONとしてやってるよ。

僕は、ニュージャージーで育った。9歳ぐらいからダンスを始めて、高校は「Mercer county school of arts」に入ってモダンダンスを学んだ。

ダンスを始めた頃はB-BOYで、いろんなビデオを見てダンスを覚えた。ポッピン、ブーガルー、ロッキン。たくさんじゃなかったけど、いろいろ学んだよ。

ニュージャージーのスタイルはニューヨークと少し違うから、ダンスをやるならニューヨークに住むことを考え、いろいろなオーディションにも参加した。最初の仕事は、Jazzy Jeff/Fresh Princeの“ring the bell”という曲に参加したことだよ。

DANCE FUSIONのメンバーとはニューヨークのクラブ、LOFT STYLE、GARAGE PARTYで出会ったんだ。EJOEもBOO DOO RAYもそこで知り合った。もちろんクラブではサークルでバトルをしてダンスを楽しんだよね。

最初サークルを見てビビっているだけのときがあって、カリーフが僕に「行け、行け!!」と言ってサークルに押しやったのが彼と最初のコンタクト。それからサークルで楽しむようになったよ。

1991年からジャスティスと一緒にカポエラもやるようになったんだけど、自分のスタイルを作っていく上でカポエラは重要な位置を占めていると思う。

Tony McGregor

トニーマクレガーです。ニュージャージー出身だよ。17年くらい前からダンスを始めて、僕のことをダンスの先生とか、アーティストと言ってくれる人はたくさんいるけど、僕は未だに自分も学び続けているというスタンスでダンスをやってるよ。

最初はヒップホップをいろいろな人から教えてもらってハウスもやるようになった。LL COOL J , FUGEES, EPMDとか様々なアーティストのビデオを見たね。

僕がダンスを始めたきっかけは2人の友人で、一人はもうこの世にいないんだけど、もう一人は今でも活動しているよ。彼らと遊んでいた時に「お前のダンス、イケてるから、クラブ行こうぜ!」と誘われてニューヨークのクラブに連れて行ってもらってた。

ニュージャージーとニューヨークのクラブは全然違って、サークルを見た時、レベルの高さにびっくりした。最近はDANCE FUSIONとしての活動も多くなってきて、ちょうど最近カナダのモントリオールでDANCE FUSIONのワークショップが終わって、すごく良いワークショップができたかなと思っている。今度、フランスでもワークショップをやるよ。

TDM

では、DANCE FUSIONの活動やチームについて教えてください。

Tony Sekou

1997年にDANCE FUSIONを結成した時、DANCE DLIGHTの審査員としてオファーされたのが、初めての海外の仕事だったよ。

そのあと、マージョリー、シャンが入ってきて、マイク、マクレガー、シャーが入って7人のメンバーになったんだよ。ジャスティスは、今ニューヨークにいなくて他の活動をしてるけど、いつでも一緒にやりたいと思っている。

DANCE FUSIONという名前は僕が提案したんだけど、みんなと話し合って決めた。みんなハウススタイルだけじゃなく様々な表現を知っている。そういう意味で、それが融合すると意味“DANCE FUSION”になったんだ。

ハウスはアフリカン、ヒップホップ、サルサ、メレンゲ、サンバ、本当にいろいろなダンスのスタイルがミックスされているからね。

Caleaf

今までを振り返ると、夏のセントラルパークで行われた野外パーティー「DANCE RITUAL」でLil' Louisとコラボすることになったサマーステージや、フランス、マイアミでのショー等、いろいろやったけど、いいショーだったなと思うよ。日本ではまだ、フルメンバーでのショーケースはやったことがないけど、いつか実現したいと思っている。メンバー全員がそろったら、面白いショーになると思っているよ。

Lil' Louis (リル・ルイス):
DJを開始したのは1974年。シカゴ・ハウスの先駆者としてフランキー・ナックルズ、ロン・ハーディらと同じオープン・リールのテープ・デッキスタイルで17歳の頃からDJとしての地位を確立。以後クラブシーンに神業プレイを以ってして崇められていた矢先、2004年、自分のクリエイティブを高めたいと突然のDJ引退を発表した。


最近はみんな様々な方面で活動しているけど、DANCE FUSIONのワークショップを定期的にやるようになったんだ。スウェーデンにいるシャー以外は全員ニューヨークを拠点で活動しているから、お互いのメンバーにリスペクトし、今の自分たちに何ができるかをよく話し合っているよ。

セイクーもしばらくダンスから離れていたけどカムバックして、彼は生まれ変わったね。今回、日本でWDCのバトラーとして、マイクと参加することになったみたいだけど、楽しみだよ。

また、月に1回、DANCE FUSIONのパーティーをブルックリンでやっていて、シャンがDJをやってるよ。スペース的には小さいだけど、雰囲気はいいよ。できれば月2回ぐらいのペースでやりたいな。ニューヨークに来た時は、是非僕たちのワークショップやワークショップに参加してもらいたいな。

Shan.S

僕は本当に音楽が好きだから、音楽やDANCE FUSONを通して、音楽に関係する全ての人とコラボしたいな。DJをするのも大好きだし良い音楽や良い出会いをして、それが1つになったら、なんていいだろうって思うよ。

DANCE FUSIONのパーティーはもちろん、いろんなところでプレイしているよ。4月にはDJとして大阪に行くしね。

最近はアジア方面に行くことが多いけど、日本以外のアジア圏はこれから発展する感じだね。中国はヒップホップシーンの方が強くて、ハウスシーンはまだ小さいカナ。

Marjory

DANCE FUSIONのメンバーはアーティスト集団だし、素晴らしいダンサーたちの集まりだなって思う。最近は活動が増えてきて、ますますそれを感じているわ。

今後また、ニューヨークに注目する人は多くなると思うよ。

TDM

では、今回のワークショップのテーマになっているMUSIC THEORY (音楽理論) について説明していただけますか。

MIKEU4RIA

最近、ブライアンと話して、“新しい形でダンスを伝えていこう”ということになったんだ。そして、僕の作ったコンセプトがMUSIC THEORY(音楽理論)。

ダンスの形にとらわれずに、音を楽しんで踊ることを伝えていきたいという想いから自然に生まれてきたもので、音楽 (音) の構造の中で、ダンスを通して音をどう聞くか、音をどういう風にダンスで表現できるかを学ぶことなんだ。

今回のワークショップでは、音楽(音)の構成要素であるRHYTM (リズム)、HARMONY (音の調和) , ACCENT (音が作り出すアクセント) 、MELODY (音のメロデイーライン) の4つの要素をワークショップごとに学べるように作られているよ。

それぞれの要素の強いインストラクターが教えていくのだけど、ダンスのスキルを学ぶものではないので、通常のスタジオで受けるようなレギュラーのワークショップとは異なるものになると思うな。

もしかしたら、受ける人たちには、とてもディープなものに感じるかもね。ニューヨークでもやったけど好評だったよ。僕と同世代のニューヨークのダンサーは少ないけど、上の世代の人たちも今たくさん良いアイデアを持っていて、少しずつまた動き出している。

今後また、ニューヨークに注目する人は多くなると思うよ。だから、ダンスの面白さを僕なりに伝えていきたい。

TDM

ジャッギングスタイルでやったトニーのワークショプが好評だったと聞いたけど…?

Tony Sekou

カナダのモントリオールと、フランスでのワークショップは好評だったね。他の国に行くと、みんなダンスに興味がすごくあることを感じるし、ダンスに対しても熱い。ニューヨークはたくさんのイベントがあるけど、各人に分かれて活動しているのが目立つね。パーティーが増えているのは良いことだけど、昔の雰囲気が懐かしいよ。

TDM

マージョリーもいろんな国でワークショップをやってますよね。

Marjory

うん。みんなのダンスに対する情熱はすごいと思うわ。みんな素敵だけど、輝いてる人っていうのは音をよく聞いているし、聞ける耳を持っているのよね。音がどんな音なのかよく知っていて、音を聞き分けることができるの。

音を知るともっともっとダンスの表現も増えるしダンスが楽しくなるから、もっとクラブで音を聞いてほしいわ。私は自分が踊るのはもちろん大好きだけど、人のダンスを見るのも大好きよ。みんなで自由にお互いのダンスをシェアするの。

“バトルとは何か?”に気づいてほしい。

TDM

最近の若い世代ではバトルの大会が多くなってますが、ダンスシーンの流れをどう感じますか?

Tony McGregor

確かに、僕らの世代にとってバトルは“クラブ”というイメージ。最近はバトルというと“大会”になってると聞くけど、バトルとは何か?に気づいてほしい。

ダンスは競技ではなくて、バトルのサークルの中で、いろんなものが生まれるんだ。だからみんながそこに集まって互いを引き上げ合う。それがバトルだ。僕はバトルで育ったようなものだから大好きだよ。でも、今の大会でやってるバトルとは違うかもね。

Shan.S

そうだね。僕もそう感じる。僕もたくさんバトルをやるし、サークルにはすぐ参加するよ。楽しいからね。でも、戦いではなく楽しむものだと思う。誰が勝ったとか、負けたとかが問題ではないと思う。スキルがないから、バトルに出れないとか、考えないで欲しい。全然心配いらないよ。

楽しむんだ。それがコンテストだとしてもOKだと思うけど。ダンスは競うものではなく勝ち負けにだけにとらわれないでほしい。僕のしてきたバトルはクラブの中で、ひたすら、ダンスをみんなで楽しむものだった。その辺は少し変わっている部分があるかもしれないね。

Tony Sekou

僕もバトルで育った世代だけど、バトルはクラブで楽しむものなんだ。今のバトルといったら、それに勝って、有名になって・・・という流れを考えてる人がいると思う。

もちろんそういうのもナイスだけど、僕にとってはそいうのは、あまり興味があるところじゃない。要はそれを楽しめているかどうかということ。楽しめないなら、やる必要はないし、楽しいなら、どんどんバトルしようって感じ。サークルの中心に入ると、人もそれを見て、楽しむけど、自分にも同時に何か生まれたりする。そういうバトルのやりとりがみんなとできるのが楽しいんだ。

MIKEU4RIA

僕にとっての最近繰り広げられているバトルのイメージは、一言でいうとスポーツに近いな。若い頃、よくクラブではバトルが繰り広げられていたよ。本当に大きいサークルで、ムーブし合った。いろんな人がいて、かっこいいダンサーが見れたんだ。

そして、僕もサークルに入るのにドキドキして楽しかった。自分のダンスを表現できるから。バトルに出て「これはすごい!」っていうムーブが見ると「やられた〜」って思う。自分の気持ちが上がって、「こんなのどう?」って感じでさらに自分もバトルする。そうやってお互いを高め合いながら、ダンスを楽しむものだと思っているよ。

僕にとってもバトルは勝ち負けではない。今のバトルの形は競技っぽく感じる。勝ち、負けも昔よりもっと、もっと大事になっているような感じがする。確かに、バトルで優勝して有名になるダンサーもいる。僕はそれもすごいと思う。でも、有名になること=バトルに勝つことみたいのは、う〜ん・・・どうかな。確かにすごいことだけど、僕はもっと音楽を聞いてダンスを楽しもうよって思っちゃうかな (笑)。

Caleaf

バトルの楽しみ方が変わってきてるように思う。僕もこのメンバーや、他のたくさんのダンサーたちもバトルを楽しんできた世代だし、今もバトルは好きだよ。勝ち負けはあってもいいけど、バトルでダンスを楽しみたいよね。

バトルだけじゃなくて、本当にいろいろなことが変わってきたと思う。ニューヨークも日本も、変わることは決して悪いことじゃないけど、変わる時、良いこともあれば、悪いこともあるんじゃないかなと思うんだ。

Shan.S

ココ10年くらいの間に、ダンスシーンはたくさん変わってる。変わって残念だなと思うこともあるけど、これからも変わっていくことがあるんだろうね。

Caleaf

ニューヨークはちょっと静かだったけど、また、ダンサーが増えてきたよね。テレビでチームのショーの大会や、ソロの大会など、本当にダンスの番組が増えたね。ダンスの映画の影響もあると思う。

そういうのを若い世代の子が見て、いろいろ聞いてくるようになった。あの動きを教えてとか、どんなスタイルなの?とか。前はそんなことがなかった。そいうことがあると、みんな前よりもダンスに興味を持つようになってきていると思うよね。

TDM

日本のダンサーをどう思う?

Shan.S

ダンスをビジネスにする人が多くなった。ビジネスの大きさで、ダンスの価値が決まるみたいな感じに思うことがある。お金は大事だと思う (笑) 。

ダンスで頑張っていくと思えば、やっぱりビジネスすることも考えていかなくてはいけない。でも、それだけじゃない。僕たちはダンスや音楽が大好きで、愛しているから。それを思い切り楽しみたいんだ。これがライフスタイルでもある。

みんなそれぞれ、生きていく上で、いろいろなことがあって大変だし、ストレスに思うこともあると思う。でもそういうストレスをも発散してくれる。クラブで会った人たちと喋りながら、飲みながらいろいろな話をして、Tシャツがビッショリになるまでみんなで踊る。日本のクラブに行くと、普段ショーや、ワークショップなどでよく見る人たちが、ただ飲みに来ている感じ。クラブで汗ビッショリになるまで踊り続けている人があまりいなくなった。僕は汗ビッショリになるまで、みんなと踊り続けたいね。(笑)。

Caleaf
日本に1年ぐらい行ってないけど、最近の日本でのクラブの印象は、ダンサーのみんなが飲み続けている。「カリーフさん、元気?」みたいな挨拶でまた飲んでる。「もっと踊ろうよ、ダンスをみんなで楽しもうよ!」って思ってるよ。でもそれぞれの楽しみ方だったらそれも良いと思うけどね。

Tony McGregor

最近ずっと日本には行ってないけど、日本人の友達はたくさんいるよ。SHUHO、HIDEKI、KENTAROは本当によく知っている。日本人は本当に練習熱心だと思う。この点はニューヨークダンサーも世界のダンサーも尊敬しなくちゃいけない。本当にリスペクトだよ。

Marjory

私も日本人は本当にまじめで練習をする人たちね。日本に行った時に、ビルのガラスに映して練習してるのを見たけど、あれはすごい。私たちも見習わなくっちゃね。

“BE WOMEN”でいることを大事にしてほしい。

TDM

今、ニューヨーク女性ダンサーが少なくなっているみたいだけど…

Marjory

そうね、日本やヨーロッパもたくさんいるけど、ニューヨークは少なくなったわ。これはサイクルなんじゃないかな。あと、女性のダンサーは見かけるけど、何ていうか、社交系?! (笑) 。プロフェッショナルな人は少ないね。また、もう少ししたら、いろんな女性ダンサーたちが登場するんじゃないかしら?

TDM

何か女性ダンサーにメッセージは?

Marjory

男と女は大分違うのよ。男まさりに踊る必要もない。“BE WOMEN”でいることを大事にしてほしい。女性であることを楽しみ、自分を思い切り表現してほしい。

女性らしさ。それはギフトよ。大切にして欲しい。私自身、女性ダンサーであることを楽しみダンスでいろんな表現をするの、そして感情も、身体も、健康も全て助けてくれる。ダンスがないなんて考えられないし、ダンスがあるからいろんなことが考えられる。世間で40歳位っていったらおばさん?って感じだけど、私はそう見えないでしょ!(笑)。 keep dancin' よ。

今後また、ニューヨークに注目する人は多くなると思うよ。

TDM
では、それぞれ自分にとってのダンスとは?

Caleaf

DANCE IS MY LIFE.

Shan.S

そうだね、ライフだね。ダンスは僕らをいろいろなものから解放してくれる。生きているといろんなことがあるし、ストレスがたまることもある。そんなときにダンスをすることで、自分を洗い流してくれるんだ。

MIKEU4RIA

ダンスはEMOTION (感情) 、PASSION (情熱) 、SOUL (魂) だね。僕にとってもダンスはライフ。ダンスは人のキャラクターを表すと思う。それを見て、いいなって思うんだ。

Tony Sekou

ダンスは僕のソウルだね。ダンスの仕事は少しお休みしてたけど、常に自分の心にダンスがあった。忘れたりはできないよ。こうやってまた、DANCE FUSIONと活動することになって、また新たに僕自身にとって、ダンスの大切さがわかるようになった。

そしてこれからは、若い世代の人たちには、ストリートダンスの歴史を知ってほしいし、伝えていきたいと思う。それを知ったらもっとダンスを楽しめると思うし、ダンスの醍醐味を知ることができると思う。若い世代の人には情報がまだまだ少ないんじゃないかな。もっといろいろ知ってほしいよ。

Marjory

ダンスなしの人生なんてありえない!いろんなものを私にくれて、私自身を表現できる。最高じゃない!

Tony McGregor

ぼくにとっても、ライフ。いろいろなものを与えてくれて勉強になる。いろんな人と刺激し合い。高めていける。

TDM

今後の活動は?

Caleaf

僕たちはまた再始動して、いろんなことをやりはじめているし、計画もしている。ニューヨークもまた盛り上げていきたいんだ。今後の僕らの活動に、注目して欲しいし、ニューヨークにもたくさん遊びに来てほしいね。

Marjory

個人的には自分のダンススタジオができたらいいなと思うし、年配の女性ダンサーのサポートをしたり、いろいろやりたいことはあるわ。

TDM

今後の活動が楽しみです。それでは、最後にメッセージをお願いします

Shan.S

今の日本は、以前に比べると、シーンの形が大分変わってきているように感じている。僕としては、ダンスのスキルを磨くのも自分のダンスをより良いものにするためには大事なことだと思う。

でも同時に、ダンスって何だろう?と考えてみてほしい。たとえば、ダンスのルーツに戻って、ダンスすることだけじゃなくて、ダンスの文化を学んでほしい。このムーブはどこから来たんだろう?このダンスのスタイルは誰が考えたんだろう?とかいろんなことを考えてほしい。

今そういう情報がどこかに消えて、何を考えたらいいのかわからない人が多いと思う。自分にダンスを教えてくれた人や僕たちに聞いてほしい。ダンスを理解できたら、もっと楽しいダンスシーンができると思うから。日本のみんなに会えるのを楽しみにしています。スシ、タベタ〜イ。(笑) 。

Caleaf

互いにリスペクトすることを忘れないで欲しい。アンダーグランドダンスシーンで、僕たち自身が生み出してきたこともたくさんあるのにも関わらず、残念ながらそんな僕たちを知らない人が多い。

自分がダンスをするだけでなく、周りやダンスに対して、このスタイルはどこから来たんだろうとか?誰がやってたんだろう?とかいろいろ知ってほしい。そうすれば教える方も、教えられる方も高まっていくと思うよ。

MIKEU4RIA

僕にとってのダンスは自分を改良していくことで、自分を表現していくものだよ。ダンスは僕のライフだから、大好きな音楽とダンスで自分を表現していきたいし、みんなにとってもそうであって欲しいなと思う。

僕は今回WDCで招待バトラーとしてセイクーと一緒に参加するよ。僕にとって、バトルは勝ち負けではなく、ダンスを楽しむ方法の一つと思っているけど、日本のダンサーたちはすごそうだね。WDCに参加して、ダンスを楽しみたいと考えているよ。そして僕らのワークショップも楽しんでほしい!

Tony Sekou

日本は大好きだしいろんな思い出があるから、久しぶりの来日を本当に楽しみにしている。会いたい人もたくさんいる。WDCでの僕たちも観に来てほしいし、久しぶりのワークショップも楽しんでほしい。

そして僕自身にも言えるメッセージ。「ダンスをし続けてほしい。そして愛してほしい。」それができたら自分も何かを得られるから。諦めずにね。

Marjory

私は女性ダンサーに言いたい!女性でいることを忘れないで表現し続けるのよ。その気持ちを忘れないで。

Caleaf

ダンスを楽しむことを忘れないで、バトルを楽しもう。サークルに入っている時にものすごく頭の中がクリアになることがある。そんな時ダンスに何かを得られている気がするよ。

日本に行く機会があったら、買い物したい。あと奇麗な景色が見たいな(笑)。

TDM

メッセージの詰まった言葉の数々、ありがとうございました!WDCやワークショップでお会いできるのを楽しみにしています!

interview by aki henmi
Edit by AKIKO / imu
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