サーカス団の人との出会い。―麻衣
TDM
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皆さんがエアリアルを始めたきっかけから教えてください。 |
麻衣
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私は2007年からポールダンスを始めました。たまたま私のポールダンスのショーを観に来ていた某サーカス団の人と仲良くなって、その人たちのコミュニティと遊んでいるうちにエアリアルの存在を知りました。
彼らのショーは、過酷なトレーニングを経て、やっと完成されるものなのだと思います。それだけストイックになれるのは、やはり、その種目を愛しているからだと思うんです。なので、自分に自信も誇りも持っているように感じました。
何より、常に彼らは幸せそうなんです。何かに一生懸命になれる人は、心の持ち方が違うなと思いました。ステージを降りても、彼らはとても魅力的で、自分もそうありたいと思い、サーカスアートに興味を持つようになりました。そして、一番ダンスに近いと感じたエアリアルを選びました。
昔からバレエとジャズ、コンテポラリーをやっていましたが、二十歳くらいでダンスを辞めて、グラフィックや映像の仕事をしていました。それから、身体を動かしたいな〜と思い、やるなら新鮮なことがしたかったので、当時流行り始めていたポールダンスに挑戦してみて実際にやってみたら面白かったんです。
ポールダンスは、それまでやっていたダンスとは全然違っていたし、ポールダンスとエアリアルも似ていますが、重心の場所が全然違います。
ただ、ポールダンスの経験があったからこそ、エアリアルでもすぐに上ることができ、自分にもできそうだと思えました。
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「私は大道芸人になりたいので大学には行きません。」−智子
智子
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私は高校生のときに、ストリートで外国人の大道芸人を見て、ストリートという何もないところでお客さんを集めて自分の世界を作ることがすごく魅力的で、それに引き込まれました。まずは、ジャグリングをやってみたいと思い、その大道芸の人に「ジャグリングを教えてください」と声をかけたんです。自分がやれるかどうかは分からず、とりあえずやってみたかったので (笑) 。
練習しているうちにどんどん楽しくなって、高校卒業のときに「私は大道芸人になりたいので大学には行きません。就職もしません。」と言ったら、誰も私を止めませんでした。親は「ハイ、どうぞ。好きにしてください。」と、心配をずっと前に通り越して、止めても無駄だと諦めていました。先生も進学は一切勧めてきませんでした。
その後、いろいろな大道芸のワークショップやコースを受けているうちに、だんだん大道芸が自分に合っているのかな?と思ってきて、ふらふらしてた時期があったんです。そんなときに、モンテカルロ国際サーカスフェスティバル(※)というイベントがあるんですが、そのテレビ番組を先輩に見せてもらったんです。そこには、シルク・ドゥ・ソレイユや、世界中の身体を使ったハイレベルなサーカスが映っていました。
※モンテカルロ国際サーカスフェスティバル(Monte-Carlo International Circus Festival): 毎年1月に開催される世界のサーカス団が集まるフェス。期間中、難易度と創造性の2つの側面から審査され、サーカス界のトップの称号であるゴールド・クラウン賞、シルバー・クラウン賞を目指して一流のサーカス団たちが芸を披露する。
それまで、私もサーカスは動物を使ったような古典的なイメージがあったのですが、現代のモダンな肉体を使ったサーカスを見て、フッと「これをやってみたい!」と思いました。それが二十歳くらいのときで、それまでやっていた大道芸から。サーカスに目が向くようになっていきました。
当時、イベント会社のアルバイトでいろんなショーのアシスタントをしていたので、世界中のパフォーマーたちと触れ合う機会がありました。イギリスからサーカスの人たちが来たときに、サーカス学校があるということを知り、その翌年、イギリスのサーカス学校に留学しました。
それまではジャグリングだけをやっていたので、エアリアルどころかダンスも体操もやったことがなく、フィジカルなことの経験がなかったんです。でも、フィギュアスケートや新体操にあこがれて、やってみたいとは思っていました。
イギリスの一年コースの中にジャグリングやアクロバットなどの選べる中に、エアリアルがあって、私はいろいろ選考した結果「絶対私はコレだ。」と、ぶら下がった瞬間に感じましたね。
それが2001年くらいで、それからカナダに移って二年間勉強して、日本に帰ってきました。
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ミュージカルからの転身。−Michiru
Michiru
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私はずっとミュージカルをやりたいと思い、歌、芝居、ダンスをいろいろやっていました。
高校を卒業したあとに、ミュージカルの学校に進んで、その3年間が終わったあと、最初の1年間はいろいろ舞台経験をつんでいました。「芝居よりも、ダンス寄りの舞台に立てるようになりたい」、「ダンスでアクロバティック的なことがしたい」とは思いつつその翌年、サーカスショーのオーディションにダンサーとして受かりました。そこで出会ったエアリアルのパフォーマーに教わったのがきっかけです。
そこではダンサーとしてショーをしていましたが、“ハーネスダンス”という吊られた状態で踊るダンスと、低い位置でやる、いわばプチエアリアルみたいなものを習って、二ヶ月間ショーをやった時に共演者のスタティックトラピーズ(静止した状態のトラピーズ)のデュオのパフォーマーにショー後のクールダウン中にトラピーズを教えてもらいました。そのときに、私も「コレだ!」と感じました。それから、エアリアルを低い位置ではなく、もっと大きな空間でやりたいと思い、本格的にはじめました。
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アクロバティックなエンターテイメント×神秘的なアート性の中間。
TDM
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皆さんがやられているエアリアルの種類は、ティシュー(布)と、トラピーズ(空中ブランコ)とリング(フープ)ですよね。それらの演技でのそれぞれご自身の特徴というか、こだわっているポイントはどういうところですか?
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Michiru
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私はスローな動きや表情、ポージングを綺麗に見せるところにこだわっています。
自分の目指しているところは、エンターテイメント寄りにも、コンテンポラリー寄りにもならない、その間を取りたいんです。たとえば、技をやって拍手をもらうというエンターテイメントな要素も混ぜながら、神秘的な世界観で魅せつつ・・・というバランスには結構こだわっています。
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TDM
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両方のよさのバランスを自分で持っていて、その間を取りたい、そこに居たいんだね。
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智子
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すごくよくわかります。私は、ダンサーとしてのバックグラウンドがないので、身体のしなやかさを出すことにすごく苦労していて、今すごく努力しているとことです。バランスとしては、綺麗さももちろん見せたいんですけど、どちらかといえば技などで驚かせたいですね。なので私も、両方のバランスは入れたいですね。
Michiruはひとつのところに止まったポージングが上手で、私はストンと落ちたりくるくる回るようなダイナミックな技が好きなんです。それでお客さんが喜んでくれるのが好きです。
さっきMicihiruが言っていたように、エンターテイメントとアーティスティックなバランスはすごく大事で、海外には、すごくアーティスティックなショーが多くて、その度合いが行き過ぎて、何を伝えたいのかわからないショーもあります。どちらにもより過ぎないその間をいきたいですね。
ただし、実際は、我々のやっていることはエンターテイメントなので、本質はお客さんも理解しやすく、シンプルに楽しんでもらえるものだと思います。そこも壊したくない。だけど、その中で神秘的で、アーティスティックなものも入れていきたいという感じです。
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麻衣
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私は、CGとかグラフィックが好きで、その分野の仕事もしているんですが、エアリアルも3D空間でグラフィックを描くように演技したいなと思ってやっています。まだできませんが (笑) 。
自分はダンスも音楽も、絵もグラフィックもすごく好きで、今まで好奇心旺盛にフラフラしてきた人間なので、そういったダンスだけじゃない目線を持って、コンピュータの中で表現するか、実際に演技をするかという感覚でやっています。
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エアリアルシーン、現在発展中。
TDM
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日頃のトレーニング・生活パターンを教えていただけますか?
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麻衣
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大体、午前中はグラフィックの仕事をしていて、午後から練習や教えが基本の流れで、土曜日だけオフにしています。ショーは、最近クラブやラウンジでやるものが多いです。 |
智子
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私は毎日違っていて、一応週に2日はサーカスの練習をしていて、あとは、週に2日間だけでは身体がなまるので、ジムに行って筋トレや練習をしています。エアリアルは天井の高い場所がないとできないので、今は他のパフォーマーと一緒に練習用で借りている体育館でやったりもしています。他の時間は、フリーで動いているので、仕事のメールのやり取りや、プロモーションツールを作ったりしています。
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TDM
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ショーのオファーは頻繁にあるものなのですか? |
智子
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多いときは多いですが、少ないときは1ヶ月丸まる何もなかったりもします。ゴールデンウィークや休日は忙しくなったりするので、年間通していろいろですね。
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TDM
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それでも、エアリアルだけで生活できているのはすごいですね。
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智子
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やっと、という感じです。最初は1年に2回とかしかショーがなく、難しかったです。やはり、エアリアルは大掛かりなので、仕事に結びつきにくいんです。
サーカス団に入った方が生活は安定するかもしれませんが、今はいろんな所に行って、毎回違うところでやったり、自分でやり取りをしながら進めていくのが楽しいです。
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Michiru
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私は、土日は基本休みで、平日4日間くらい練習していて、時間があるときはクラシックバレエを習っています。ショーの前だと、練習時間が増えますね。
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TDM
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どういうショーのオファーがあるんですか? |
Michiru
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私はサーカスショーのソロパフォーマンスだったり、ミュージカルでの役だったり、アーティストとのコラボだったりというオファーが来ます。1週間〜1ヵ月という割と長い期間の仕事のオファーが多いですね。 |
TDM
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エアリアルのシーンがまだわからない点があるので質問させてもらいたいのですが、プレイヤー人口としては世界的には多い方なんでしょうか?
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智子
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かなり少ない方だと思います。日本人では自分以外この二人しか知りませんでした。「エアリアルができる方を探しています。」という仕事のオファーが別の会社から複数私に来たりするので、他にいないんだなと感じますね。
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麻衣
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あとは、浜崎あゆみさんのツアーに回っていたKAERUさんも有名ですね。
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智子
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あとは、群馬にサーカス学校があるので、そこでエアリアルを教えているらしく、やっている人がいるのは確かなんですが、実際何人いるのかはわからないですね。 |
麻衣
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プロとしてやっているのは10数人くらいらしいですよ。
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TDM
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そんなに少ないですね!驚きました。
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智子
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今海外で習っていて、日本に帰ってくる人たちもいるとは思いますけどね。 |
麻衣
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日本では練習場所も仕事もないので、海外に移住する人もいます。 |
エアリアルはすごく素敵なもの。楽しみ方を伝えたい。
TDM
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自分がエアリアルのプロフェッショナルとしての意識、心がけていることはありますか?
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麻衣
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私はポールダンスも自分を構成している大きい要素なんですが、エアリアルのクラスも持つようになって、それでも、エアリアルは精神的にも肉体的にも、ものすごく難しい。床で踊るダンスも大変ですけど、高さもあるし、勇気も必要。危険性もあるので、下手したら、落ちて骨盤を打って、踊れなくなった人の話も聞くし、それから何年もリハビリをしてまたやっているという人の話も聞きます。
エアリアルのレッスンでは、OLさんなど何もやったことがない人も受けに来てくれるので、まずはフィットネス重視でやります。習いに来てもらった人は、いきなり逆さまなんてできないので、 “いかにやった気になってもらえるか”という教え方をします。もちろんそれは、それまで自分がやってきたエアリアルの練習とは違っていますし、どう楽しく安全にやってもらうかという考えでやります。
ただし、エアリアルはすごく素敵なものだということが大前提なので、エアリアルの技術というよりも、楽しみ方を伝えるように努力しています。
そうやって間口を広げていきながら、少しでも興味を持ってちょっとずつ本格的にやりたいと思う人がいてくれたらいいなと思います。
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シビアなフィジカル管理・メンタル管理。
Michiru
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私は本番前にマッサージによく行きます。むくみを取るために、岩盤浴に行って、体を温めてからそのまま本番にいったりします。
あとは、他の方もやると思いますが、与えられたキャラクターの役作りにこだわりますね。
エアリアルストラップ(紐で行う空中演技。)で、あるキャラクターを演じた時などは、雰囲気をガラっと変えてみました。そうすると、その役のためのセットやストーリー、お客様の「何が出てくるんだろう?」というワクワク感を中途半端なキャラクターが出てきて壊してしまわないように、これが映像か人間なのかわからなくなるくらいのレベルを目指してやっています。
通常のソロのときは自分のキャラクターそのままで演技しますが、作品によってその役にあったキャラクターを作り上げることの方が多いですね。
自分の本質は変えることはできませんが、メイクや衣裳を含め、表情を暗くしたり、スタイルもなるべくそのキャラクターに合わせるように努力しています。
例えば、なるべく筋肉が目立たないように、衣裳やスタイルに気をつけたりして、「え?ホントにあの人、エアリアルできるの?」って思われるくらいのところに持っていきます。「まさかこの人が・・・」「ウソでしょ!?」って思われるのが好きです (笑) 。
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智子
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私は教えをしていないので、自分がステージに立つ上で大切にしていることなんですが、私にとっては体重管理です。
やっぱり1〜2キロ増えても、重力に逆らって上に上るわけですから、すぐに重たいと感じます。だから、できるだけトレーニングの時間を確保しますが、自分でコスチュームも作っているので、逆にそっちが忙しくなると、トレーニングの時間が疎かになるので、そのバランスが大変です。
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TDM
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営業やって、裁縫やって、筋トレやって・・・すごいですね。
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智子
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フリーでやっているので、そこはちゃんとしないといけないんですよね。
コスチュームを作る時期は、私は相方の分と2着作っているので、本当に大変ですね。裁縫も独学なので、パターンお越しから全てやるのは本当に時間を取られます。でも、仕方がないですね。
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やめられない満足感と達成感。
TDM
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逆に楽しい瞬間はどういうところですか? |
智子
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それはもちろん、お客さんが楽しんでくれているときが、すっごく嬉しいです。終わった後に近づいてきてくれて「すごいよかったです!」という言葉とか、お子さんが手紙や絵を描いてくれたり、クライアントが喜んでくれたりする瞬間に、満足感や達成感がありますね。
その瞬間があるから、たとえ1年に1〜2回の仕事だとしてもやめずにやってこれました。
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TDM
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今までに印象に残っているパフォーマンスはありますか?
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智子
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毎回やる環境が違うので、毎回が印象的ですね。本当にホールのステージでやるときもあれば、ショッピングセンターのモールの吹き抜けの中でやるとき、はたまた、大道芸のようにストリートでやるときもあります。
ステージでのファッションショーやヘアショーでやるときはストリートと違って、ライトや音楽を完璧にしてもらえるので、すごく気持ちいいです。でも、モールやストリートでやると、お客さんがすぐ目の前なので、ダイレクトに反応が見えて、終わったらすぐ声をかけられたり、子どもたちの「どうやって降りてくるの!?」といっている声が演技中に聞こえるので、それがすごく楽しいです。
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「その言葉をもう一度言ったら教えない。」
TDM
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トレーニング方法は他のダンスと違って特徴があると思うんですが、練習しているときはどういう感覚なんでしょうか?
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Michiru
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まず、とにかく手が痛いです。鉄棒と一緒で、バー状のものを持つので、最初に手にマメが全てできて、それがなくなります。プロテクターのようなものもありますが、それになれると感覚が鈍ってしまうのでつけないほうがいいです。
本格的にトレーニングを始めたときは、嫌になることもありましたが、スイスの先生についてマンツーマンで習っていたとき、やっていくうちに、達成感が出てきて、「また次の技を覚えられる!」と、嬉しくて習ってました。
あと、私、皮膚が薄くて白いので、ロープなどで青アザがすぐできるんです。そのままスタジオでレッスンをすると、基本薄着なので周りを驚かせたりしますね (笑) 。
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智子
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私が、モントリオールでのトレーニング中、難しい技を見て、口癖のように「私にはできない。」と言ってしまっていた時に、コーチに「その言葉をもう一度言ったら教えないぞ。」と言われたのが頭にずっと残っています。「最初なんだから、できなくて当たり前だよ。」って。
それからは、つい頭に「できない。」と浮かんでも、あのときのコーチの言葉が思い出されて、「でも、いつかはできる。」と思えるようになりました。いまだに、いつもどこかに引っかかって、ポジティブにさせてくれる言葉ですね。
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麻衣
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私は不安で練習しすぎて、身体が気持ちについていけなくなって怪我をしてしまうタイプなんです。去年もアバラを2回ひびと疲労骨折しました (笑) 。なので、わざとスタジオに行かないようにしたりします。そういった精神のコントロールにすごく苦労します。 |
TDM
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皆さん基本的に一人で自分の作品を創っていると思うのですが、創作する上での特徴はありますか? |
智子
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私は音楽によって全然気持ちの入り方が違うと、自分で感じます。仕事上、先方から曲を指定されるときや、DJとの即興などもありますが、好きな音楽のときは、感情の表現の仕方が豊かになるし、そういう曲に出会ったときは嬉しいですね。聞いた瞬間に自分がエアリアルしているイメージが浮かぶ時と、好きだと思っても、エアリアルと合わない場合もありますね。
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TDM
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曲の長さとしてはどれくらいのオーダーが多いんですか?
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智子
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ペアで頼まれるときは20分くらいですが、ソロだと3〜7分間とか様々です。ファッションショーなどのイベントで、1分間っていうのもありました。「ただ、ドロップ(急落下する技)をしてくれればいい。」と言われたりしたこともあります (笑) 。
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Michiru
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私も曲は大事ですね。海外のソロでやっている人にも多いやり方なんですが、私もオリジナル音源を持っていて、それに合わせた自分のべースとなる作品が幾つかあります。曲が変わったり、クライアントから何かオーダーが来たら、組み合わせを変えたり、アレンジを加えていきます。
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麻衣
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私は毎回曲が違って、だいたい1回1回しかやりません。できれば何回かやりたいんですけどね。衣装も使い回すときもありますけど、ショー専用で創られたりするので、あまり使い回せません。何度も同じショーを継続できている人はすごいと思います。
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私たちは、“空中ダンサー” 。
TDM
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では、最後に今後の展望や目標を教えてください。
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智子
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近い将来でいえば、仕事をもっとバリバリやっていきたいんですが、将来全体としては、主人とやっているので、新しい作品、新しいコスチュームをどんどん作って生きたいです。また、まだ見えない将来で言えば、ゆくゆくは日本ではなくて、主人がカナダ人なので、モントリオールに戻るかもしれません。サーカスが盛んで、シルク・ドゥ・ソレイユの本拠地なので、そういう地でサーカスだけじゃなく、ダンスやアートを日本から学びに行きたいと思ってる人たちのお手伝いができればいいかなって思っています。自分ももちろん現役でやって生きたいですが、体力的にもいつまで持つのかわからないと思うと、教えるということも考えられるのかもしれませんが。
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麻衣
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すごくダンス目線で見てしまうので、「あの子はダンサーだよね」と言われたいです。体操もやってないし、アクロバットもできないんですけど、業師ではなくて「空中ダンサー」って呼ばれたいですね。
一番大きいことを言ってしまうと、何の衣装を着ていたかわからないくらい肉体の動きで印象を与えられるようなダンサーになりたいんです。ギエム(※)の場合は、肉体を通り越して、見えなくなって、ただそこで魂が舞っているように見えます。私も、セットや衣装、照明がすごかったねと印象に残るショーではなくて、「あの人何着てたっけ?でも、とにかくすごかった!」と言われたいです。・・・かなり大きい夢ですけど (笑) 。
※シルヴィ・ギエム(Silvie Guillem):
100年に1人の逸材と言われる驚異的な身体能力を持つダンサー。股関節が200度は開いているように見える開脚、弓のような身のこなし、柔軟な足の甲など、全てがこの世のものとは思えないほど美しいと世界から絶賛を浴びている。
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Michiru
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それから ステージングにも興味があって、いつかは、ミュージカルでもなく、サーカスでもない、空間を全て使った、今までにない新しいショーを日本で創ってみたいです。
自分の演技は観た人たちがハッピーになれる、エアリアルパフォーマンスというよりは1つの物語や夢を見ているようなパフォーマンスを目指したいと思います。
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TDM
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本当に今回お話を聞いていて三者三様でいいですね。ここから何かが生まれていくんでしょうね!
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